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放送日時 2018-12-15

2018-12-15OA地域×大学~~学生・若者が地域に暮らし、関わるカタチを考える

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2018-12-15 15:30

出演者情報

地域×大学~~学生・若者が地域に暮らし、関わるカタチを考える 
福知山公立大学教授 谷口知弘さん

「建築士会なにやってまんねん」住まいの環境研究会座長 山本晶三さん

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地域×大学~~学生・若者が地域に暮らし、関わるカタチを考える
福知山公立大学教授 谷口知弘さん
★★自己紹介★★
出身地の宇治田原町湯屋谷は美しい里山の風景と暮らしが残っています。それに気づいたのはつい最近です。地域の方々が守ってくれていることに心から感謝しています。
京都工芸繊維大学で意匠工芸学を学び卒業しデザイン事務所に勤め、縁があって京都工芸繊維大学の助手になり、立命館、同志社、コンサルを経て2016年福知山公立大学に赴任しました。大学では地域協働教育、地域ではご近所の仲間と福知山唯一の銭湯「櫻湯」の保全活動やマルシェイベント「福知山ワンダーマーケット」の開催をしています。
★★活動の原点★★
私のワークショップを活用したまちづくりは、加茂大橋西詰の鴨川公園リニューアルの住民参加の基本設計づくりの経験が基礎になっています。今では当たり前のようですが20年前京都府では初めての取り組みでした。市民と行政と専門家が協働で進める中で、今まであった地縁コミュニティが元気になり、新たなテーマコミュニティがいくつか生まれました。最初に発足した「でまち倶楽部」は今も活動しています。行政の支援が無くなってからも持続する担い手や組織を育てることが大事であると気づいた事業でした。
★★福知山公立大学まちかどキャンパス吹風舎(ふくちしゃ)★★
2018年5月に新町商店街にオープンしました。大学・学生と地域が交流を通して学び合い育て合う場を目指しています。「まちライブラリー」や「まちびと起業塾」、学生の「地域プロジェクト」などの独自事業の実施や公益活動の貸し会場として利用いただいています。また、近所の子こどもが遊びに来たり、地域の人達が集う場所にもなりつつあります。今後は、公共施設マネジメントの視点から地域の集会所や公民館活用のモデルとなるような事業の社会実験も行っていきたいと考えています。
★★学生が参画する多世代交流型自治活動の取組★★
学生が地域になじむ機会が減ってきています。そこで、学生が地域に暮らすカタチの試みとして「ご近所と繋がるシェアハウスさつき荘」の実験をはじめました。私は管理人、学生と地域をつなぐコーディネーターは商店街の役員が担ってくださっています。将来的には、通りを廊下に見立ててある家はリビング、こっちの家はキッチンと、商店街界隈が大きな「家」のような多世代交流型住環境の実現を夢見ています。また、京都府が進める学生の高齢者宅同居事業「京都ソリデール」にも取り組んでいます。学生と住民に行ったアンケート調査では、学生の3割、住民の2割が高齢者宅同居について興味を持っていました。2017年度からマッチングを進めて2軒実現しています。
★★福知山ワンダーマーケットの取組★★
アーケードが残るレトロな新町商店街で食と暮らしにまつわる定期市を2016年10月から開催中です。この2年で、商店街のキーパーソンと協力してコンサートやアーティスト・イン・レジデンスのスタジオに活用するなど、元店舗のシャッターを4つ開けました。オーナーさんは元店舗が活用され賑わう風景を喜び、受け入れてくださり、元家具店では学生が大学生と商店街をつなぐ「遊ビバ」の実験を始めます。また、来年の4月オープンを目指して、元紳士服店をリノベーションしたワンダーマーケット出店者向けのチェレンジショップをつくっています。商業を軸とした過去の賑わいを求めるのではなく、暮らし・商い・ものづくり・ことづくりなど、多様な人々の住と生業が共存する新しい賑わいづくりを模索しています。
★★感想★★
学生と地域の人達が支えあって新たなにぎわいのある地域になっていく福知山新町商店街の今後の取組から目が離せません。毎月第4日曜日に開催されている福知山ワンダーマーケットに近いうちに行ってみよう。桂浩子

後半「建築士会って何やってまんねん」

前回の続き

この一年は、地球温暖化の影響で地震や台風といった自然災害が続きました。温暖化の影響などでこれが常態になれば、市民はどんなことができるのかを今年度の活動テーマとし考えています。

例えば、大地震が起きて家が壊れた、被災したとなれば避難所に行かれ過ごされます。一方で家は無事だったけれど、水が出ない、電気やガスが止まったなどライフラインが寸断された時、少しでも家で過ごす助けになる準備は何か?

昔の家は、停電すると懐中電灯やろうそくを灯して明かりをとることで済みましたが、最近の家は家電製品がほとんどなので、コンロが使えない、ましてやトイレが流せないといったことがあります。電気に頼っている暮らしに慣れている人たちは他のすべがわからないので、昔の人ならどうするだろう?という事を考えます。

行政は被災時に備えて飲料水の確保や缶詰の備蓄、手回しの懐中電灯などの推奨はしていても、普段の暮らし方の提案はしていないので、建築士の目で昔からの風習や知恵にも思いをめぐらし、備える暮らしを考えていきたいと思います。

感想

電気に頼り、便利さに頼り、五感がどうにかなってしまうのではないかと思う時もしばしばあります。台風21号を経験し災害の怖さを身に染みて実感しました。昔の人の知恵と技術の向上をどちらも考え、先を見据えながら折り合いをつける。とても腹に落ちました。

(渡邉えみ)