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放送日時 2019-06-01

2019-6-1OA ただいま参上/宇治のまちづくり、顕彰制度特別委員会の活動

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2019-06-01 15:30

出演者情報

●「ただいま参上」コーナー
ゲスト/アーキフィールド建築研究所 平等院参道商街理事長 上島ひとしさん

●「建築士会って何やってまんねん」コーナー
 ゲスト/顕彰制度特別委員会 高木伸人さん 高橋勝さん
 聞き手/下村委津子さん

音声

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●「建築士会って何やってまんねん」コーナー/6/1 6/15の2回に分けて放送
顕彰制度特別委員会」の活動


ゲスト/顕彰制度特別委員会委員長 髙木伸人さん
副委員長 髙橋勝さん
聞き手  下村委津子さん

顕彰制度特別委員会は、京都にある優れた建築とそれを作られた設計者を褒め称え、さらに今後も良いものを作っていただこうという趣旨の「京都建築賞」を支えている委員会です。
委員会では、委員が審査しているのではありません。審査していただく方を選び、審査委員をお願いするなどの他、賞の事務局すなわち裏方の活動を行なっています。

今回で7回目となる「京都建築賞」は、2012年の京都府建築士会60周年の記念事業として、また、会の魅力をもっともっと高めていくため何か新たなエポックメイクなものを会で行ないたいということで創設されました。京都において建築に関わる賞として、例えば景観賞やデザイン賞の中の建築部門というのは今までにもありますが、この京都建築賞では外部との関わりも含めた建築そのものを、さらにはリフォームやインテリアといった建築の内部も顕彰します。

募集を受付ける2月から表彰式の6月までの間だけ委員会が活動しているように見えますが、実際は下準備を含め、一年を通して活動しています。まずは審査委員の選定と就任の交渉で始まり、各審査委員の京都における建築の捉え方や賞に対する思いをお互いに把握するための意見交換会を開きます。意見交換会には私達委員も同席し、裏方とは言いながらも時には意見を述べたりもします。意見交換の内容は記事として京都だよりやホームページで公開します。秋には、募集要綱を告知し、応募を2月の中旬から受け付けて2月末に締め切り。その後、書類による第一次審査を経て、第二次審査の現地審査が4月から5月にかけて。5月末に結果を発表し、6月の総会時に表彰式を行い、京都府建築士会の会報誌「京都だより」に京都建築賞の特集記事を掲載するところまででやっと一区切りとなります。審査委員の皆さんは、お忙しい方ばかりですので限られた期間の中での日程調整がとても大変です。現地審査は相手のあることなので尚更です。
ちょうど今日は現地審査が終わったところ。いよいよ発表です。

2016年には、京都建築賞に特定のテーマを設定する「藤井厚二賞」部門を創設しました。次代を担っていく建築士の支援を目的とするもので、小さな設計事務所の方でも応募しやすくしています。先人の叡智に学び、新たな挑戦をしている建築士からの応募に期待しています。
因みに、藤井厚二氏は、京都の大山崎に「聴竹居」という素晴らしい住宅をつくられた方です。大正から昭和にかけて建築も西洋一辺倒になっていくような時代にあって、日本の住宅建築の素晴らしさを強く世界に発信された方でした。また、今でこそよく言われる環境共生ですが、その考えを積極的に取り入れた自邸を幾棟も建築し、これらのデータを基にした論文も発表されています。こうした藤井氏の建築に向き合う姿勢と功績にあやかり、賞の名前がつけられました。
当初、京都建築賞の応募資格は京都府建築士会の会員であることとしていましたが、もっと広がりを持たせたいということで、2年前から会員限定の規定を無くしました。

賞を設けることで、審査委員や受賞者等と京都府建築士会と新たなつながりも生まれてきました。京都建築賞受賞作品を設計者自らご案内していただく見学会、藤井厚二賞を受賞された方に「聴竹居」で作品のレクチャーをしてもらうという取り組み、審査委員を講師にお迎えするセミナーなどを行っています。更には、大邱建築ヴィエンナーレに京都建築賞の受賞者が講師として招かれるという国際的な広がりも生まれています。