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放送日時 2020-01-18

2020-1-18OA

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2020-01-18 15:30

出演者情報

〈前半〉ただいま参上のコーナー
NPO法人大原里づくり協会の皆さんほか

〈後半〉建築士会会員紹介のコーナー
中西義照さん

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〈前半〉ただいま参上のコーナー

NPO法人大原里づくり協会の皆さんほか

-150年ぶりに再興された勝手祭(かってまつり)

 大原里づくり協会では数年前から、かつての大原8ケ村の古いものを探してみています。来迎院町で古老の方々からお話を聞き、御神輿を見せてもらったところ、記帳には”梶井門跡”や”正徳年間”などが読取れ、三千院や魚山(ぎょざん)に深く関係するものでは?と調べたのが、昨年の秋に再興なった"勝手祭"に至る始まりでした。それまでは、神輿についての伝承は限られ、町内に有るが由来や使用の目的などは誰も知りませんでした。古文書をひもとくと、江戸時代には、勝手祭が旧暦の4月23日に勝林院の本堂で執り行われていたことや、勝手祭は広く"魚山"に関わる祭りで、勝手神社は声明(しょうみょう)の守り神として勧進されたと分かりました。そして、勝手神社や勝林院さらに来迎院を擁するこの地域が、かつての人々にとっての"声明"の聖地であったと想像できるのです。

 勝手祭は、勝林院を会場に開催したのですが、声明や(地域伝承の)音頭、雅楽や能が本堂で演じられると、場の荘厳さや、堂内を響く音の大きさ、外の風の音が聞こえるなど、一般のホール等にはない印象的な体験があり、驚きでした。祭りの前日は、屋根が雨漏れをするなどで、開催が危ぶまれましたが、そんなドキドキする感じもイベントの醍醐味の一つですね。勝手神社の氏子である来迎院町の方々にとっては、町外から祭りが注目されたことで、散歩のついでに立ち寄られたり、神社の防災に意見が出されるなど、地域に失われていた歴史を取戻すかのように、皆さんの意識が神社へ向いたようです。

 今、勝林院の本堂は、屋根の劣化や不同沈下、虫害など幾つもの問題を抱えています。勝林院を管理されている宝泉院、実光院、さらに地域の方々や大原里づくり協会が一体になって、今後の勝林院を考える体制づくりをしているところです。

参考;"魚山"とは、中国の山東省辺りにあった声明の発祥の地と伝わる処。後に声明が中国から比叡山に伝えられ、声明を学ぶ道場であった勝林院を中心にした大原地域一帯を"魚山"と呼び習わす

 

〈後半〉建築士会会員紹介のコーナー
中西義照さん