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放送日時 2020-05-16

2020-5-16OA

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2020-05-16 15:30

出演者情報

●「まちづくり特集」コーナー
鴨川運河会議 鵜飼 実幸さん
●「会員紹介」コーナー
(株)畝啓建築設計事務所 畝 啓さん

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「コロナ感染防止の今、BIMは最強アイテム!」
畝啓建築設計事務所株式会社 代表 畝 啓さん

絵を描くことやモノを作ることが好きだった高校時代、父親に進路相談した時に、建築や工業系(ID)に進んでもデザインの仕事はたくさんあることを聞き建築を専攻できる大学を目指すきっかけができました。
大学では、コルビジェやライトの住宅に建築の魅力を感じていたので、おのずとアトリエ系で住宅の仕事に関わりたいと思っていましたが、先輩の建築士さんから、若いうちは一人ではなかなか経験できない施設建築を勉強した方がいいというアドバイスを受けて、A&C地域施設建築研究所でスタートすることになりました。1000m2~3000m2程度の保育園、幼稚園、福祉施設、病院関係の仕事が中心でした。入所直後から物件を担当させていただき一年たったころには、契約から引き渡しまで。そのおかげで約5年後に独立して現在に至ることができました。今でも、社会福祉法人さんからの依頼が受注の中心になっています。
独立して4~5年は従来の2DCADで設計業務をこなしていましたが、受注時期が重なるとか業務量の増加に伴い、外注が増えました。ちょうどその時期にBIMの存在を知りあまり深いことは考えずに単純に製図が楽になるだろうつまり高性能なCADという感覚で導入を決めました。
実際の移行自体にはさほど労力も時間もかからなかったと思います。時間短縮という意味での成果も十分に出たと思います。3Dで設計すること自体が、効率よく業務を進める上で効果があると思います。細かなミスやチェック漏れはほとんどなくなりました。また変更や修正が楽なので外注もかなり減りました。
2DCADからBIMへ移行して設計業務もスムーズに流れるようになったころ、建築士会さんやCADベンダーさんからセミナーで事例発表をしてほしいとの依頼がありました。当初は、やはり3Dで設計することの有用性を中心に話すことが多かったのですが、セミナーを通して組織事務所やゼネコン、他の個人事務所さんのBIMの活用方法を聞き知ることができ、自身の業務を見直してみました。その結果、BIMとは、『設計手法の改革』であって設計製図を効率化するためのツールではないということに気づきました。現在進行中の築100年の製茶工場を保存活用していくという案件で、伝統的な建築物もBIM化して、保存、耐震改修、活用提案、維持保全等様々なシュミレーションに利用しています。
テレワーク等の業務改善はコロナ禍と関係なく進めていくべきだと思います。BIMは、一つのファイルにかなりの情報量が入っています。情報が一元化されているので業務の電子化とは相性がいいと思います。クラウドやビデオ電話は、業務効率の向上になると思います。人間関係が希薄になると懸念されますが、無駄を省くことで本質の部分が見えやすくなり、コロナの影響が電子化に拍車をかけるきっかけになるかなと思っています。

忙しく業務をこなしながら、宇治を盛り上げるまちづくり活動にも力を注ぐ畝さんは頼もしい存在です。今後は建築士会宇治支部にも積極的に参加してもらえたらな~
(桂 浩子)