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放送日時 2018-07-07

2018-7-7OA 右京区 防災の取組み~太秦学区を中心に~

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2018-07-07 15:30

出演者情報

太秦学区自主防災会会長 川筋徳親さん

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右京区 防災の取組み~太秦学区を中心に~

太秦学区自主防災会会長  川筋徳親さん

太秦学区は右京区の中でも木造住宅が密集した地域で火災が発生した時はポンプ車が入れないような細い路地がたくさんあり、新潟県の糸魚川市のような火災が発生したら、ああいう状態になるのではと心配しています。自主防災会としても、そういう事態が発生しないように毎月5日、地域を夜間パトロールしていますが、一度火災が発生すると消化活動が難しいエリアもたくさんあります。最近は映画村や広隆寺への観光客も多く、その対策も念頭において様々な取組みをしています。自主防災会としてもボランティアで活動しており以前は参加者が少なかったですが、近年は増えてきました。

 
私自身は防災会に入って27年、会長になって15年になり、様々な取組みをさせてもらいましたが、その間、地域のみなさんが防災訓練に積極的に参加されないことが一番気になっていました。できるだけ町内ごとに防災訓練をしてもらうようにしていましたが、それぞれの事情もあり「今年はやめとこか」という町内もありました。
昨年、防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しましたが、受賞理由のひとつに「大規模災害時における地域事業者との連携」があり、太秦映画村や大日本印刷とも協定を結んでいます。太秦学区は地域的にも右京区の中心にありますが、避難場所として大きな会社等があまり無く小中学校だけでは対応しきれないので、これからどうしていくかを役員で模索しています。また瑞穂学区や宕陰学区は山間部に集落がありますので、崖崩れで道が塞がって孤立してしまうのではないかと心配しています。区役所の防災担当者は、近年、消防署から総務防災担当として出向してくれて本当に良くやってくれますので以前にくらべ防災の取組みが進んでいます。

 
6月18日に起こった大阪北部地震では右京区は震度4で大きな被害はありませんでした。京都市では伏見区、西京区、中京区が震度5だったようです。今回の地震は有馬高槻断層が揺れたそうですが400年程前にも伏見では豊臣秀吉が建てた伏見城が壊れたそうです。京都は地震が少ないと思われていますが、今回の地震で少し考え方を変えてくれればと思っています。
私が会長になってから、このままの状態では災害が発生した時に、みなさんに関心をもってもらえないので子供達から入っていけば、なんとか家族の方も参加してくれるのではないかと思い、平成15年に「子ども防災土曜塾」を開講しました。災害に対しての地域の意識が薄いので、どういうふうな取組みをしていけば良いかを考え、消防署の職員とも相談して子供たちに防災の知識を教えていくことにしました。小学校の3~5年生を対象に当初、毎月第一土曜日に開講していましたが、学校もクラブ活動等があるので、クラブ活動のない土曜日に開講しています。活動はまちなか探検といって子どもたちに地域をまわってもらい消火栓や防火水槽の位置を確認したり、地域で有名な蛇塚古墳や映画村、広隆寺の消化設備等も見てもらい、子どもたちも凄く喜んでくれています。毎年3月の終了式で炊き出し訓練をしますが、子どもたちと一緒に作って、食べて閉会式をしています。また親御さんも、いろんな地域の防災訓練にも参加してくれるようになり、子ども塾をきっかけに地域全体の防災意識が高まっています。

 

13年程続けているので、できれば京都市全体に広げていきたいと思っていて、他学区でも話をして興味はもっていただいていますが、あまり進んでいないようです。また今後、地域でも若い世代に引き継いでいきたいと思っています。
太秦学区は高齢者が多く、災害時に一人暮らしの方は自力では逃げられません。また地形的にも傾斜地なので車いすの方を避難所まで介助することも大きな課題です。自助共助が基本ですが、地域の人たちと協力して災害時には助けあうことが一番大事だと思っています。