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放送日時 2017-10-06

2017-10-06OA 「桃山様式と現代美術 」

番組名:KYOTO space fountain ~きょうと空間創生術~

投稿日時 2017-10-06 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
             野村正樹

パートナー)  橋本沙抽里

音声

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現在、世界遺産・元離宮二条城全域と京都芸術センター(元・明倫小学校)で開催されている「アジア

回廊 現代美術展」。8月から11月にわたって行われる”東アジア文化都市2017京都”の現代美術部門

を担うメインプログラムとして、日中韓の若手アーティスト25組により、ダイナミックな最新現代アートが

展示されている。

先日、そんな「アジア回廊 現代美術展」二条城会場を訪れる機会に恵まれた。

二条城といえば、江戸時代における武家風書院造りの代表的なもので、その華やかで煌びやかな様式

美は別名・桃山様式とも呼ばれている。建物と庭園が一体となり、座観式の庭園が建物外部に展開し

いることも、近代書院造りの特徴のひとつとして挙げられている。二の丸庭園は、小堀遠州の代表作とし

て挙げられる池泉式の書院造庭園であり、慶長年間に二条城造営とともに作庭されている。

二条城会場においては、二の丸御殿台所の内部空間や庭園空間を利用しながら、前衛的な現代美術

がさまざまな形で展示されている。写真の作品は「フルーツの木」。大型バルーンを使用した、国際的

活躍する韓国のアーティスト、チェ・ジョンファによる作品である。巨大な大根や、プラスチック製のザ

ルを大量に並べた壁、振り子のように揺れながら幻想的な空間を演出する電球など、多くの現代アートが

美しい桃山様式書院造の伝統建築と対比しながら、刺激的な空間として展示され、巡り歩くごとに魅惑に

満ちた高揚感を感じる内容となっている。

伝統建築と現代美術。対極とも思えるこの二つの美の融合によって、生み出されるひとつの調和。

異彩を感じながらも、融和を感じた、不思議な展示空間体験であった。