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放送日時 2017-05-19

2017-5-19OA 「変わりゆく書店空間のかたち」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2017-05-19 13:15

出演者情報

パーソナリティ)  ローバー都市建築事務所
           野村正樹

パートナー) 橋本沙抽里
      

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 写真は先月29日にリニューアルオープンした「大垣書店&cafeブックパル五条店」のカフェスペース部分。
近年、ここ京都においても新しいスタイルの書店空間がみられるようになってきた。

 私たちが幼い頃の書店といえば、立ち読みをすることが後ろめたく感じられるような、ただ本棚に本が
並ぶだけの殺伐とした店舗空間であった。電子書籍やインターネットによる書籍販売の普及が進むなか、
実店舗における、書店空間のありかたが最近大きく変化しつつある。実際に本を手に取りながら、選ぶ
楽しさ。パラパラとページをめくり、居心地のいい雰囲気のなかで書籍に触れる時空間のありかたが、
今の書店空間には求められている。

 「大垣書店&cafeブックパル五条店」には、今回約40坪のカフェスペースが計画され、オープンテラス
席も含めると約70席のくつろぐことのできる客席が整備されている。
間接照明と北欧デザインの柔らかな雰囲気の中で、ゆっくりとした読書の時間を過ごすことができるよう
配慮がなされている。天然木の持つぬくもりを肌で感じながら、ソファ席で読書と会話を楽しむことので
きる書店空間。

 また、烏丸四条にある「大垣書店 四条店」においては、ガラス張りのショーウィンドーに沿って、座
りながら商品を読むことのできる、椅子席が準備され、街路に向かって人々が読書をする光景を目にする
ことができるようになっている。

 これから大きく変わりゆくであろう書店空間のかたち。既存のスタイルにとらわれることなく、新しい
読書のありかたを再考することによって、活字を身近に楽しむことのできる書店が今後増えていくと感じ
ることのできたすてきなプロジェクトであった。