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放送日時 2018-06-20

2018-7-6OA 「カフェが育む 時間と空間」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2018-07-06 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
             野村正樹

パートナー)  橋本沙抽里

音声

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先日、京都市下京区の高瀬川沿いで、一軒のコーヒーショップを設計する機会に恵まれた。

正面通りと西木屋町通りの角地に位置する全17席のこのカフェは「murmur coffee kyoto」と名付けられ、

街中にありながら都会の騒々しさを感じさせない、落ち着いたロケーションとなっている。

「murmur」は日本語で「木の葉のざわめき」や小川のせせらぎ」のようなかすかな音を意味する英語。

その店名が示す通り、目の前の「高瀬川」の心地よいせせらぎの音を聞きながら四季折々の花や緑を

感じることのできる喫茶空間としての改装を計画した。

一杯のコーヒーを楽しみながら、来訪するゲストに対してより魅力的な時間と空間と体験を提供する

ことが現代のカフェの計画には求められている。そういった意味において「高瀬川」の外部空間を

いかに心地よく効率的に内部空間に取り込むことができるかを主眼に置きながらカフェの設計を行っている。

大きな木製窓を外部に対して、風景を切り取るように設け、自然を視覚的に感じさせるとともに自然

光を意識した濃淡のある照明計画を行った=写真。また、内装カラーはグレーを基調とし、店内の椅子や

テーブル、本棚といった家具にはオーク材を選定することにより、全体としてぬくもりと安らぎを感じる

ことのできるしつらえとなっている。

約30平方メートルほどの小さなスペース。単なる喫茶店としての内装設計ではなく、カフェが

育む時間と空間を新しく創造することのできた、印象的なプロジェクトとなった。