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放送日時 2018-10-15

2018-10-19OA 「モダン和風を竹で彩る」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2018-10-19 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
              野村正樹

パートナー)  藤田瞳

音声

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今回は石塀小路の旅館「龍吟(りゅうぎん)」の1階部分にある和食料理店「かみくら」のお話。< 今旬の食材を使用した、雰囲気のある和食割烹(かっぽう)店である。 長さ7.4mのタモの無垢一枚板をカウンターに使用した店内は、全体をモダン和風でデザインし、 古都の風情を楽しめる空間としてまとめあげている。 「かみくら」の御影石張りの床と対比するように、天井や壁、建具や格子にまで孟宗(竹を使用することに より、繊細かつ上品な室内空間を構築することが可能となった。普段、建築仕上げ材に使われることが 少ない竹材。こうしてさまざまな用途に使用してみると改めて「竹」のもつその効能に気付くこととなる。 ひとつは、その柔軟さと強靱(きょうじん)性である。竹かご等の工芸品に象徴されるように、比較的 加工が容易で、しなやかであるにも関わらず、強い耐久性を持ち合わせている。このことから、従来の 木材ではなし得なかった、細い格子や桟の製作が可能となり、結果として美しいデザインが可能となった。 また、伸縮性が低いことも大きな特徴である。物差しが竹で製作されていたことからもわかるように、竹は 経年変化による伸縮が非常に少なく、ひずみがない。そのような竹の特徴は、店舗設計の可能性を大 きく広げることとな さらに、飲食店舗においては、竹の持つ抗菌作用も役に立つ。昔の旅人は、その抗菌作用に着目し 竹の皮でおむすびを包み、竹筒を水筒代わりに使用していたのである。 和のデザインともうまく調和する「竹」の特徴。今後に大きな可能性を残す、店舗空間事例となった。