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放送日時 2020-03-27

2020-3-27OA 「低視点で完成する調和」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2020-03-27 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
             野村正樹

パートナー)  橋本沙抽里

音声

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京都市中京区にある老舗旅館「NISHIYAMA RYOKAN」の和室客室。

老舗旅館の良さを生かしながら、ホテル形式での運営を織り交ぜた、

現代型旅館とも言うべきスタイルで、多くの観光客の人気を集めている。

 そんな「NISHIYAMA RYOKAN」のリニューアルを通じて、再考することと

なった「床座式」の良さ。そのひとつめの特長は、視点の低さと、そこか

ら生じる広さと落ち着く感覚である。もともと和室空間は、私たちが床に

座った状態でその姿が美しく見えるように、計画されている。床の間の高

さや、障子の寸法、天井の高さに至るまで、床に座した時に調和がとれる

よう工夫が重ねられている。

その寸法を丁寧に研究することにより、小さな座敷ではあるが、居心地の

いいバランスと広がりのある室内環境を構築することができた。

また、居間用途と就寝用途を兼用できるといった、その柔軟な可変性も

「床座式」の良さとして挙げられる。限られたスペースを有効に活用する

といった点において「椅子座式」と比べて空間の自由度は高く、その用途

に応じて、食卓をたたむ・座布団を出すなど、素早く部屋の設えを整える

ことが可能であることも特徴的である。

 私自身、普段意識をすることがなかった、座敷生活の心地よさ。

先人の知恵を改めて再認識することのできた。