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放送日時 2018-01-12

2018-1-12OA 「京都コンサートホールでのあの思い出」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2018-01-12 13:15

出演者情報

パーソナリティ)
  ローバー都市建築事務所 野村正樹

パートナー) 藤田瞳

音声

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「京都コンサートホールでのあの思い出」

京都市左京区にある「京都コンサートホール」。平安京建都1200年記念事業の一環として、平成7年

(1995)年に竣工した。鈍く光るいぶし銀のイメージで装飾されたホールの外観が印象的なこの建物

の設計は、日本を代表する建築家・磯崎新(いそざきあらた)氏による設計である。

建物を構成する主要な3つのボリューム(大ホール・小ホール・ホワイエ)はそれぞれ、京都固有の3

つの軸線(平安京・北山通・賀茂川)に沿って配列されている。表通りからエントランスに至る池沿い

の導入路、や大小ホールのそれぞれへと至る、螺旋状のスロープによるアプローチ等は、京都の

社寺空間に学んだ、目的地への期待を高める空間演出である。

平成5年(1993年)の秋、京都工芸繊維大学で建築を学ぶ学生であった私は当時、建設工事が進

められていた、この「京都コンサートホール」磯崎新アトリエ現場事務所で、日夜、模型造りのアルバ

イトに明け暮れていた。国際的建築家・磯崎新氏の設計を少しでも学ぼうと、学生なりに図面を研究

しながら、いろいろと勉強させて頂いていた。当時の私の担当作成部分は、大ホールの天井と、下鴨

中通りからメインエントランスに至るアプローチ部分。特に天井部分は、複雑に入り組んだ幾何学形態

が組み合わされたデザインであり、夜を徹しての作業であった。
先日、そんな「京都コンサートホール」へ、クラッシック音楽を聴きにいく機会にめぐまれた。あれから、

もう24年。「京都コンサートホール」を訪れる度に思い出す、私の設計活動の原点ともいうべき、今と

なってはいい思い出である。