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放送日時 2013-11-16

2013-11-16OA 「100人でつくる京都地図」荒牧英治さん+北雄介さん

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2013-11-16 15:30

出演者情報

ゲスト:京都大学デザインスクール荒牧英治さん+北雄介さん
担当:竹山ナオユキ

【教えてスペシャリストさん】
宝測量設計㈱
担当:下村委津子・中田哲

音声

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荒牧英治さん+北雄介さん

右:荒牧英治さん+左:北雄介さん

京都大学デザインスクール荒牧英治さん+北雄介さん

私たち2人は、京都大学デザインスクールの教員です。大学では現代の複雑な問題に対して、情報・建築・機械など幾つかの分野を横断するデザインで答えようとしています。

「100人でつくる京都地図」は、建築の北と情報の荒牧が組んで新しい京都の情報地図がつくれないかと試みを始めたものです。これまで2回のイベントを開催し、1回目は今年の7月(2回めは10月嵐山)に、学生や社会人、お子さま連れや70才を超えた方まで、様々な人が参加しました。好き勝手に街(御池〜四条と烏丸〜鴨川に挟まれたエリア)を楽しんでもらって、感じたことをスマートフォンでつぶやいてもらう。それには位置情報が含まれていて、どこで何をしたかや、そこでどう感じたかが分かり、それらが時々刻々に地図上にプロットされる仕組みです。単に歩くだけでなく、チームをつくったので、初対面の人同士がプリクラを一緒にとったり、待ち合わせてお茶をのんだりと、予想以上に楽しいイベントになりました。一方で参加者の自由なつぶやきは、それを分析して使える情報(例えばその人の気持ちの大小のような量)に変換する試みや、その時の気持ちに合ったボタン(「いいね」や「オバケがでそう」など)をつぶやきに合わせて押してもらうことで、ばらばらな個々のコトバと、意味や感情とを関連づける試み、などの研究材料となっています。

従来の観光地図は、寺院や飲食店などのポイントは紹介されていますが、それらのルートの魅力や、ルート上でみられる面白いコトを取り上げることはありません。「100人」は、人がリアルに感じたことをベースに地図が現れるので、従来とは全く違う観光の視点を提供します。今回のイベントでも、同じ2点を結んでも、人によってルートは違い、どういうふうにその街の雰囲気を感じているのかは違いました。みんなの日常の中に「100人」の仕組みがあれば、他の人が感じたことと、自分のそれとを重ねる新しい“まちあるき”が生まれ、ポイントとポイントの間を意識することで、街のありようも変わっていくのではないか。また、多くの人の日常から、膨大なつぶやきを収集して分析することで、今の街の状態をリアルタイムに知ることが出来るでしょう。例えば、交通渋滞やお目当てのミセの臨時休業を避けられて、もっと京都を楽しんでもらえるツールにもなります。その他に、災害時の迅速かつ広汎な情報提供、バリアフリー検証への応用など、観光だけに留まらない可能性もあります。そういった側面にご興味ある方にも是非イベント(年2回予定)に参加してほしいですね。