出演者情報
◆特定非営利活動法人 京都フィルハーモニー室内合奏団 理事長 小林 明さん
聞き手:内藤郁子
◆長澤建築設計事務所 長澤直子さん
聞き手:中田
生の音楽を三条で聴いて楽しんでください
私たちの事務所は15年前から三条に置いています。私自身、御池の堀川で生まれ育ち、明倫小学校、城巽中学、堀川高校で学びましたが、それぞれ無くなったり形が変わったりしてしまいました。三条には幼いころから馴染んでいます。
「京都フィルハーモニー室内合奏団」はクラシック音楽を演奏する小さなオーケストラです。43年前の1972年5月に発足したのですが、当時のメンバーは今では私一人になってしまいました。もともと音大の同級生で、「三つの志」を持って始めました。その一つは、音楽でメシを食っていくこと。二つ目は、オーケストラで演奏できる日本の音楽を創っていくこと。当時は武満徹の曲ぐらいしかありませんでした。三つ目は、楽しい音楽をたくさんの人に聴いて頂くこと。当時23〜24才の血気盛んな面々が、将来のことは解らないけれども、やってみようと集まったのです。
2000年にNPO法ができた直後にNPOにしました。オーケストラとしては日本で初めてでしたが現在は4団体あります。アメリカではほとんどがNPOです。NPOといっても、財政優遇があるわけでもなく、会社と同じように社会保障も消費税も必要です。私たちは芸術・音楽をやっていますが、基本的には芸人と変わらないと思っています。演奏してお金を頂くというのは、資本主義社会では当たり前のことです。演奏を続けていくことで、京フィルを支えて下さる方が増えていったらいいな、と思っています。
以前はたくさん小学校に演奏に行っていました。当時は1000人規模でしたが、最近は少子化で小学生の人数が少なくなり学校での芸術鑑賞は極端に少なくなってしまいました。最近は京都府からの依頼で、小学校でワークショップもしています。メンバー3〜4人が、子どもたちと一緒に自分たちだけのオリジナルソングを作ったり、打楽器を持って行って最後に「八木節」を一緒に演奏しています。
「0才からのクラシックコンサート」というのも行なっています。約1000人が来られますが、ここ数年はお父さんも一緒に聴きに来られることが増えました。家に帰って家族で話ができるのは、喜ばしいことです。
京都コンサートホールで定期公演も行っていますが、もっと身近にまちの人に生のクラシック音楽を楽しんで頂きたいと、京都文化博物館でも年に5回コンサートをしています。さらに三条通のオシャレなお店で2〜3人で演奏をして、みち行く人にも聴いてもらえるような企画「さんクラ(三条通でクラシックを)」を考えています。ぜひ実現させたいので、皆様の積極的なご協力をお願いしたいと思っています。