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放送日時 2018-09-01

2018-9-1OA 防災~いまをつたえる

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2018-09-01 14:30

出演者情報

防災〜いまをつたえる
成逸自主防災会 会長 牧本晴男さん

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顔の見える安心感のある成逸の防災まちづくり
成逸自主防災会 会長  牧本晴男 様
小澤:本日のゲスト牧本晴男さんは、今年の1月28日に行われた、耐震シンポジウム「地震に備えるまちづくり~人々のつながりで命を守る~」にて、町内会活動を中心とした「顔の見える安心感のある成逸の防災まちづくり」の取り組みをご披露いただきました。今日は、牧本金属の社長さんという別の面も含め、詳しくお話を伺ってまいります。では、衛藤顧問よろしくお願いします。
衛藤顧問:牧本晴男さん よろしくお願いします。
早速、自主防災でのご活躍を伺いたいのですが、その前にご自身のお仕事である牧本金属のことを教えてください。
牧本氏:上京区で建築金物を販売しています金物屋でございます。工務店さんや板金屋さんに建築資材をおろしています。先代が墨壷などをつくって始めた会社で私は2代目です。
衛藤顧問:牧本さんは建築士の資格をお持ちだとか。
牧本氏:はい。商売柄色々な建築を知っとかないかんと、ちょっとかじりました。(笑)
衛藤顧問:では、自主防災会での取り組みについて伺います。
まず、牧本金属の社長さんであられる牧本さんがなぜ自主防災会の会長になられたのか、経緯を教えてください。
牧本氏:私は生まれも育ちもこの成逸学区でして、成逸小学校が閉校になる年の最後のPTA会長を仰せつかりました。閉校にあたり記念紙をつくるため、地域の方に協力してもらい歴史を調べたり、様々な地域活動に参加していくうちにつながりが増え地域の力は大事なもんやなぁと思いました。特に町内会のつながりがあってこその地域活動やと思います。また、自主防災会の会長というのは、PTA会長を卒業したものがなると前任者から聞かされエレベーター式に任命されました。
衛藤顧問:会長になられてから福祉防災地図というものをつくられたんですね。
牧本氏:はい。11年前になるのですが、私が自主防災会会長になった年は新潟中越沖地震が起こった年なんです。テレビで避難所の様子を見ていると、公的な支援はなかなか来ないのがわかりました。行政に頼るばかりではなく地域で避難所をつくらなあかんと思い、まず避難所運営マニュアルを作りました。
衛藤顧問:それは公的な支援が足らないという事ですか?
牧本氏:いえ、そうではなく地震が起きた時、区役所にいる人が全員動けることもないですし、阪神淡路大震災の時も9割方の人が地域の方に助けられたと聞きました。そもそも避難所の鍵はだれが開けに来るんや?という疑問から、みんなで話し合い地域のことをまとめとかなあかんという事で作ったものです。京都市の中で地域が自力でつくったマニュアルというのは初めてだったそうです。
また、いざという時、この地域にはどんな人が住んでいるのか、支援を必要としている寝たきりの人がどこにいたはるのかが、わからん事には助けに行くことができないのでそういった地図と台帳をつくりました。災害が起きた時の緊急連絡網や地域の集合場所を設定し、避難袋に入れるものなども記入し学区の各ご家庭に配布しました。
マニュアルにそった実質的な防災訓練を繰り返すうちに、こういうことや、ああいうことをせなあかんと必要なことが見えてきて順番に改善、更新しています。
また、マンション住まいの方にも何とか町内会に入ってもらいたいという気持ちで「せいいつ方式」という町内会に加入してもらう協定を結ぶ取り決めをつくりました。また学生は町内会の諸々の役は免除して行事には参加できるという準会員(半額)になってもらい、みんながお互いに何かあったときは助けに行ける、助け合える仕組みをつくりました。
衛藤顧問:このような長年の成果があり消防庁長官賞を取られたんですね?
牧本氏:はい。防災まちづくり大賞 消防庁長官賞をいただきました。成逸学区では「私のまちに町内会があって良かったと思えるまち」をまちづくりの基本方針としており、持続的な顔がわかる町内の取り組みが、まさに減災につながると思っています。

感想
穏やかにお話されましたが支援が必要な高齢者台帳(=ほっと安心カード)作成には個人情報の取り扱いに厳しい今日では大変なご苦労があったと思います。継続・持続力が地域力を高め減災につながると再認識しました。
小澤えみ