ここから本文です。

放送日時 2019-11-16

2019-11-16OA

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2019-11-16 15:30

出演者情報

〈前半〉ただいま三条のコーナー
市民農園 京都 風緑(かざみどり) 
代表者 杉井正治さん

〈後半〉建築士会会員紹介のコーナー
南丹支部 樋口浩之さん

音声

RSS取得

MP3ファイルの再生/ダウンロード

〈前半〉ただいま参上のコーナー

市民農園 京都 風緑(かざみどり) 代表者 杉井正治さん

-竹林整備から新しい農業へ

 京都市内で12月に開業される『グッドネイチャーステーション』に収穫した野菜を卸すことになりました。まちなかにある深草の出店(デミセ)の第一号店になれば有り難いです。今採れるのはレモン、冬は白菜や大根、春になれば筍です。当日の早朝に掘った、朝露や土が乾いていないような筍が店先に並ぶ、まさに地産地消が一番の魅力になるかと思います。

 農園の畑に使う元肥の一部は、市内にある保育園の給食の残飯を一時処理したものを引取って、畑で穫れた野菜を食材として保育園に提供しています。さらに園児が農園に来て、レモン狩りをしたり、筍掘りをしたりという風に循環型。この夏はナスを摘んだ園児が持ち帰ったところ、ご家庭で美味しいと評判になりました。美味しい野菜や循環の仕組みは、保育園のウリになっているようです。ほかにも糠や藁、竹林整備で間引きした竹を機械でチップ状にしたものを、畑の元肥に使っています。竹のチップは層状に敷き込んで、上に土を載せてやると、2年ほどで分解されて肥料となってじっくり効いてきます。最初は手探りでやってみたのですが、チップの層の中で育っているカブトムシの幼虫が、効果を実感させてくれました。

 管理している竹林では、6月に新しい竹を伸ばし、9月から10月に古い竹を切って、光が上から差し込んでくるようにします。竹と竹の間を傘をさして歩けるのが私たちの竹林の特徴です。竹林の持ち主は皆さん高齢で、次世代の人で竹林を引き継げるのはまれです。これまで竹林整備や竹文化の発信などの活動を、20年間やってきましたが、それだけで竹林を守っていくことは出来ません。食生活も変わり、食材としての筍のニーズには限りがあります。そこで、かつての深草の丘陵地のように、果物の栽培をはじめました。農園では、ブルーベリーやレモンを植えたり、最近では酸性土壌を生かしたブドウの栽培。ここ何年かの間に、うまく将来世代の農業のかたちが創れないかと考えて動いているところです。

 竹林整備や農園の活動には、一般の社会人の方々に加えて、龍大生の皆さんにサポートしてもらっています。深草には龍谷大学があり、大学のボランティアセンターを通じて、大岩山での活動の頃からのお付き合いです。卒業した後にも電話連絡してきてくれたり、時には人生相談にのったりと交流が続いています。色んな人の助けをいただきながら活動できていることに感謝しています。