「今週の本のソムリエ」 大垣書店烏丸三条店 金田匡平さん
「わたしの一冊」 「カフカ」多和田葉子 編 編集協力 川島隆
「ゲーテ」大宮勘一郎 編
「カフカ」
カフカの書いた小説は今の日本の読者には意外に身近に感じられるかもしれない。
わたしたちは近い将来、何も悪いことをしていないのに逮捕されるかもしれないし、
拷問を受けるかもしれない。そんな時にカフカを読んでおけばきっと役に立つ。(多和田葉子)
「ゲーテ」
大宮勘一郎 編
「面白いこと」を追い続けることは幸福に決まっているヨーロッパが大きく変わりつつある時代に
ゲーテはそう晴れやかに直観した。行く手に何が待ち受けていようとも、失敗など気にせず何でも試し、
失敗さえ面白がりながら走り続けてしまうゲーテは、私たち自身の遠くて近い姿なのだ。(大宮勘一郎)