最近、京町家を活用してゲストハウスを運営したいという方からの問い合わせが急増している。
京都観光に訪れる外国人観光客を対象として、京都らしい宿泊施設が人気を集めていることも、
その背景にある。本来、ゲストハウスとは比較的安価な料金で利用出来る、バックパッカーの
利用などに主眼を置いた宿泊施設を指すのであるが、このような京町家を活用したゲストハウス
においては、一棟貸しのスタイルで運営されていることが多い。街中の一般的なホテルとは違い、
本格的な調理のできるキッチン設備や居心地のいい浴室を備え、長期滞在にも対応する事が可能だ。
写真は、先日、下京区五条大宮近くに完成した、京町家ゲストハウス「鉄仙」。
築100年ほどの小さな京町家を改装した、居心地のいい旅の宿である。
京町家の風情を随所に残しながら、町家ステイを暮らすように楽しむ。
そんな設計上の工夫がとりいれられている。
以前よりあった坪庭を、雰囲気のある和風庭園に改修し、光と風を取り込む装置として再定義。
縁側部分を座敷よりの緩衝帯として緩やかに連携させながら、安らぎのある居間空間を演出している。
さらに、浴室からも坪庭の風景を美しく眺めることができるよう計画し、小さな京町家でありながら
、豊かな入浴のひとときを感じることのできるしつらえとなっている。
2階部分には低いベットと和室コーナーを計画。京町家の美しい木組みを大胆に表現し、小屋裏を活用
することによって広がりのある寝室婦ペースを確保している。
これからもますます増え続けるであろう、京町家のゲストハウス。
一般的な宿では感じることのできない京町家の非日常の魅力を、一度体験してみるのも面白いと思うのである。
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放送日時 2016-05-13