ここから本文です。

放送日時 2017-06-23

2017-6-23OA 「新旧の対比と融合」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2017-06-23 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
            野村正樹

パートナー)  藤田瞳

先日、京都東山三十六峰の最南端「稲荷山」西麓にある伏見稲荷大社を訪れる機会に恵まれた。
全国に3万社を数える稲荷社の総本宮であり、五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就の守護神として
全国に広く信仰されている。その歴史は古く、奈良時代の和銅4年(711)2月初午の日に稲荷大神を稲荷山
に祀ったのがその創建とされ、平成23年(2011)年には御鎮座1300年を迎えることとなった。
御鎮座1300年奉祝事業の一環として、新しく社務所が建設された。明治時代に建造された旧社務所に隣接
する敷地に、地下1階地上2階建て延べ面積 約1,080坪(3569m2)の新館が建設されたのである。
現代和風を基調とした入母屋造りの連続した3つの屋根を持つ新館は、明治期に作庭された旧庭園に面する
ように建造され、それに対比するように旧社務所に対する部分には、新しく現代庭園が計画されている。
稲荷山を借景に雄大な池泉回遊式庭園が形成され、新旧の融合が巧みに図られているのである。
近年は外国人観光客にも人気が高く、世界最大の旅行情報サイト・トリップアドバイザーによる評価では
”行って良かった”外国人に人気の日本の観光スポット第1位に3年連続で選定されているのも興味深い。
千本鳥居に代表される、鮮やかな朱色に彩られた鳥居が連続する風景は独特の美しさを創出し、伏見稲荷
大社を代表する観光スポットにもなっている。
伝統と現代が美しく混在する伏見稲荷大社。その新旧の対比と融合の妙を、新しく感じることのできた
初夏のひとときであった。

音声

RSS取得

MP3ファイルの再生/ダウンロード