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放送日時 2017-06-26

2017-6-30OA 「三条通のクイーン・アン様式」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2017-06-30 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
             野村正樹

パートナー)  橋本沙抽里

京都市の三条通にあり現在は「京都市文化博物館別館」として使用されている「旧日本銀行京都支店」

明治39(1906)年に建造された、煉瓦(れんが)造り2階建スレート葺(ふ)きの両翼に棟屋がついた美し

い建物である。当初、日本銀行京都出張所は明治27(1894)年に東洞院通御池上ルに開設されたの

であるが、業務拡張により、この地に移転することと なった。以後、昭和40(1986)年に現在の河原町

通二条に移転するまで、60年間にわ たり、日本銀行京都支店として使用されていた。

その美しい外観は、三条通に面して左右対称に設計されており、赤煉瓦と白い花崗(かこう)岩の横縞

が見事な調和を見せる美しい意匠デザインは、19世紀後半のイギリスの建築によく使われたクィーン・

アン様式(別名フリー・クラッシック)である。ビクトリア王朝の中期にイギリスで生まれたクィーン・アン
様式は、曲線を多用することでも知られ、優美で軽快なプロポーションでありながらも、落ちつきのある
雰囲気が、町並みにうまく調和している。日本が近代化を目指した、明治時代。まず、建築様式におい

て主流とされたのが、イギリス系の建築であり、設計者の辰野金吾自身も、ロンドンに留学しイギリスの

影響を強く受けた人物であった。

「京都市文化博物館別館」では、先日、私たちの所属する(社)日本建築家協会近畿支部京都地域

会が主催する建築家作品展が開催された。「受け継がれる建築の佇(たたず)まい」~地域の特性を

生かして~と題した展示会には、普段私たちが考えている”建築”のありかたを展示し、4日間の会期

中延べ1200名余の方に来訪いただいた。”時”とともに存在し続ける”建築”。”建築”を単なる形では

なく、大切 なものとして捉(とら)え直したとき、そこに人々の幸せが見えてくると思うのである。

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