出演者情報
パーソナリティ)
ローバー都市建築事務所 野村正樹
パートナー) 藤田瞳
「京都コンサートホールでのあの思い出」
京都市左京区にある「京都コンサートホール」。平安京建都1200年記念事業の一環として、平成7年
(1995)年に竣工した。鈍く光るいぶし銀のイメージで装飾されたホールの外観が印象的なこの建物
の設計は、日本を代表する建築家・磯崎新(いそざきあらた)氏による設計である。
建物を構成する主要な3つのボリューム(大ホール・小ホール・ホワイエ)はそれぞれ、京都固有の3
つの軸線(平安京・北山通・賀茂川)に沿って配列されている。表通りからエントランスに至る池沿い
の導入路、や大小ホールのそれぞれへと至る、螺旋状のスロープによるアプローチ等は、京都の
社寺空間に学んだ、目的地への期待を高める空間演出である。
平成5年(1993年)の秋、京都工芸繊維大学で建築を学ぶ学生であった私は当時、建設工事が進
められていた、この「京都コンサートホール」磯崎新アトリエ現場事務所で、日夜、模型造りのアルバ
イトに明け暮れていた。国際的建築家・磯崎新氏の設計を少しでも学ぼうと、学生なりに図面を研究
しながら、いろいろと勉強させて頂いていた。当時の私の担当作成部分は、大ホールの天井と、下鴨
中通りからメインエントランスに至るアプローチ部分。特に天井部分は、複雑に入り組んだ幾何学形態
が組み合わされたデザインであり、夜を徹しての作業であった。
先日、そんな「京都コンサートホール」へ、クラッシック音楽を聴きにいく機会にめぐまれた。あれから、
もう24年。「京都コンサートホール」を訪れる度に思い出す、私の設計活動の原点ともいうべき、今と
なってはいい思い出である。
音声
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