出演者情報
【ただ今三条】
ゲスト:ギャラリーH2O 大向務さん
三条富小路書店 鈴木あいさん
担当:内藤郁子
【会員紹介】
ゲスト:青年部会 松本匠さん
担当:松田容子
都会の真ん中で大木に守られるギャラリー
ギャラリーH2O 大向 務さん 三条富小路書店 すずき あいさん
大向さん:ギャラリーは三条富小路を少し上がった西側の露地の奥にあります。5年くらい前にデザイン事務所をまちなかに移したいと探していたところ、ここに出合いました。露地の奥に小さな庭があり、そこに大きなどんぐりの木があって、それがとても魅力的でした。まちなかに樹齢100年もの木があることに感動しました。 露地奥なので建替えができないので、平屋の長屋の2件を改装することになりました。しかし、事務所のスペースとしては広すぎるので、どうしようかと考えました。デザインの仕事は美術展のポスターやカタログなどが多いので、ギャラリーならでできるかなという軽い気持ちで始めました。 ちょっと休めるような畳の空間も欲しかったので、それを茶室風に設えてもらいました。その和の空間とギャラリーの白い壁・ガラスのモダンデザインがマッチして、一つの個性的な面白い空間になったと思います。 京都には美術系の大学が多いですが、卒業してすぐ作家になれるわけでもなく、他の仕事をしながらでも何かを作りたい人はとても多いので、気楽に発表できる場になればよいと思っています。
すずきさん:「三条富小路書店」は4回目になりますが、私は4年間に自分の作品展をここでさせて頂いたときに、大向さんに今回のような本屋さんをしたいという話をしました。アーティストが企画からデザイン、制作まで自分の思い通りに手作りで本にする「ZINE」とか「リトルプレス」というジャンルのものを、イベントとしてではなく本屋という形でやったら面白いと考えました。今回は120名の作家さんがエントリーしてくれました。イラストレーターや写真家だけでなく、陶芸や立体、ミュージシャンとか、本当に幅広いクリエイティブな活動をしている方々が、自分の身近な範囲で本という形に落とし込んだ作品です。3センチ角くらいの小さなものから、大型の絵本、蛇腹に折ったものなどさまざまです。出版社を通して大型書店に並ぶ本とは違って、作家と読者の距離が近しい個性的な本を、手に取って楽しんで頂けたらと思っています。2週間の期間限定の開催で、今回は15日までです。
◆ボイスレコーダーを持ってギャラリーにお邪魔をして録音してきました。ほんとうに、まちなかにこんなに素敵な空間があるのが不思議なくらいです。ちょうどモミジが美しく紅葉していました。ぽっかりと現世からスリップして、のんびりとお気に入りのアートに浸る。そんな贅沢な時間が流れている気がしました。 (内藤郁子)