自然と人が調和につながっていく道
ドゥ
道・あーむえすと 尾藤 徳章さん (三条通東洞院南西角)
大地を汚さず・自然に土に返る・天地自然服」とお店カードに書いているのですが、昔は当り前だった衣食住の生活を思い出しませんか?ということをお店のテーマにしています。
僕は1994年に10年間勤めた商社をフト辞めようと思い立ち、1年間の準備期間をもって、95年に一年間限定で世界一周の旅に出ました。これから自分がやるべき仕事を見つけたい、一人立ちしていくための人生のバックボーンとなる考え方にも出会えないか、また、自分が外の世界に出た時にどのような評価をされるのか、ということにも興味がありました。まず、カナダから始め、そこで語学の勉強をしました。その次にアメリカ・カリフォルニア、そしてメインに思っていたニューヨークに飛びました。ここではアパートも借りて、1か月半ほど暮らしました。次に、僕の視野を広げるためにヨーロッパに行きました。
アジアではタイを中心に、東アジアの国をいろいろ訪ねましたが、特に影響を受けたのがインドでした。インドには、ヒンズー教やヨガ、哲学があって、寺院に安く勉強させてくれる所があり、ビザの許される限り2ヶ月近く滞在しました。そこではベジタリアンなど当り前で、それまでは普通にハンバーグなんかも食べたりしていたんだけれど、いきなり食生活が変わりました。また日本にいるときは宗教的なことは勉強などしなかったけれど、このことに関してはアメリカでもヨーロッパでもインドでも、とても勉強させて貰えました。
そうして大きな収穫は、NGO活動や国際協力ということで、現地で生活を支えるためにいろんな小物を作ってそれで糧を得ていたりしている状況を知り、最終的には「国際協力をするお店」をすると決めて、帰ってきました。
そして96年9月に兵庫県明石の魚住でスタートし、01年に京都の錦小路に移転し、その年の12月には同時に2店舗目を出すということになりました。お店の名前のドゥはフランス語の2という意味で、エストとは東、日本のこと、アームは心とか魂という意味です。その頃にちょっとした転機があって、それまでは社会貢献をするという生き方をしてきたけれど、途中からもっと大切なこと、日本人が大事にしてきたことに気づかされたのです。巧く言葉にしづらいのですが、あえて言うなら、今までは外に見える環境・外側に手を加える方向に向かっていたけれど、もっと内側も整えましょうということです。何か一方に向くのではなくて、西欧の価値観だけでなく日本独自の考え方、外と内、陰と陽、全体で捉えて生きる、という姿です。よろしかったらお店で品物を見て貰いながら、ゆっくりお話しませんか?
(感想)
私の今年の目標は「丁寧に生きる」。尾藤さんとお話をして、そのことに通じそうな、何か私たちが失くしてしまった大切なことを教えて貰える気がしました。(内藤郁子)
会員紹介コーナー
社会への恩返し
一級建築士事務所banana Lab 代表 佐久間 譲(さくま ゆずる)さん
・建築士会入会のきっかけは?
私は現在、構造設計の仕事をしています。構造の協会には以前から所属していましたが、構造以外の分野の方がどういったコミュニティを持たれているのか、それがどのように広がっているのかに興味があり、建築士会に入会しました。実際入ってみると、建築の設計以外の分野の方々も非常に多いので、「とても面白いコミュニティが広がっているな」というのが率直な感想です。
青年部会では研修担当会に所属し、講習会や見学会といった事業の企画・運営を行っています。昨年9月に開催した「積層の家見学会」や、「京都人のための京都文化財建造物見学会(於:二条城)」など、建築士会員だから実現できた体験もとても多いです。
・最近、独立をされました。
これまでアトリエ系とよばれる構造設計事務所に所属していました。建築物へのこだわりが強い建築家の方がクライアントだったため、構造としてもそれに応えようと、多少アクロバティックで挑戦的なものを作ってきました。そういった環境で自分自身育てていただいたので、独立に際しては「社会への恩返し」という意味も込めて、アトリエ系のようなこだわりのある建築物に携わっていきたいと思っています。建築雑誌への掲載や、建築賞を受賞されるような建築に関わることも目標です。
・イクメン「構造男子」!
独立にはもちろんリスクを伴いますが、これまでのサラリーマン時代とは違った生活の可能性を見つけていきたいと考えています。たとえば現在、8か月の息子がいますが、イクメンの「構造男子」はなかなかいないので、実行したいなと思っています。毎日の朝の散歩や食事、入浴など、サラリーマンではなかなかできなかったことを、月の半分程度ですが実行しています。
(感想)
1月に独立されて、お仕事でも建築士会の活動でも今後の活躍が期待される佐久間さんです。がんばれ、イクメンパパ!!(松本 匠)