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放送日時 2018-10-06

2018-10-6OA ブロック塀の安全対策~地震への備え~京都市建築安全推進課

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2018-10-06 15:30

出演者情報

京都市建築安全推進課 
安全対策第一係長
大井康光さん

BIM研究会
橋本 華名さん
村田 裕基さん
シュルード設計 土井 桂さん

音声

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ブロック塀の安全対策~地震への備え~京都市建築安全推進課 安全対策第一係長大井康光さん
 
 今年は6月18の大阪府北部地震で最大深度6弱(大阪)を観測し,7月の大雨,台風等と大きな災害が立て続けに発生しました。6月の地震では、死者は5名,そのうち2名の方がブロック塀の倒壊により亡くなられています。高槻市では小学校のブロック塀の倒壊によって,登校途中の小学生が下敷きとなり,幼い命が失われました。
 今回に限らず,昭和53年の宮城県沖地震では18名,平成17年の福岡県西方沖地震と平成28年の熊本地震でもそれぞれ1名の方が,ブロック塀の倒壊により亡くなれています。今後,二度とこうした悲惨な出来事を起こしてはなりません。
 そこで、今回の地震発生後,速やかに,ブロック塀の安全対策として,京都市として,大きく3点の取組を進めました。
 まず、子供たちの命をしっかりと守るため、全ての市立小学校の教職員等が通学路沿いのブロック塀を緊急点検し、必要に応じて,専門家である建築士が調査しました。京都府建築士会にも御協力をいただきありがとうございます。
 2つめは、ブロック塀に関する相談窓口を6月23日に開設しました。
 3つ目は,「ブロック塀等の除却工事の費用に対する補助制度」では、ブロック塀の除却工事の費用の三分の二、上限額は15万円として補助します。また、「ブロック塀等の点検に係る専門家派遣制度」で、ブロック塀の所有者の依頼に応じ,京都市が専門家(建築士)を派遣して無料で点検します。点検は外観目視で調査し、ブロック塀の内部の鉄筋や基礎の深さまでは調査できませんが,専門家がしっかりと確認し,ブロック塀の所有者に点検結果をお伝えしております。
 これら二つの支援制度の対象となるブロック塀は共通で,道路や公園,学校などに面するブロック塀や高さが1m以上のものです。補助の要件や条件は他にもありますので、京都市のブロック塀支援窓口222-3603(専用)までお尋ねください。HPでも様々な情報を掲載していますので,是非御覧ください。 京都市 ブロック塀 安全対策 検索
 防災の取組は,市民ひとりひとりが災害に対する意識を高め,普段から対策を進めておくとともに,地域の自主防災会など地域における人と人のつながりで,相互に助け合えるつながりが大切です。
 
感想 今回の事故を忘れることなく、ブロック塀の管理者や建築士が危険なブロック塀による事故が無くなるように、しっかり取り組まないといけないなと思います。上原智子

特集「建築士会活動報告」~建築士会って何やってまんねん
BIM研究会活動報告

【最近建築の世界ではよくBIMという言葉を耳にします】
橋本華名さん(以下、橋本)

BIMは「Building Information Modeling」の略称です。私たちはこれまで図面をCADや手描きで作成してきました。BIMでは、コンピュータ上に3次元の立体物を描いていく中で、様々な属性データ(2D/3D形状/数量/品番/寸法/素材/性能/価格)といったものを併せ持つことで、設計から見積、施工までの業務を円滑に進めていこうとする手法です。

【BIMを使うことによって建築に携わる人にとってどういう変化がありますか】

村田裕基さん(以下、村田)

マンションなどを設計しようとすると、図面だけでも100枚とか、多くなると200枚くらいになったりします。打ち合わせをしていく中で、窓の大きさが変わったりとか部屋の間取りが変わったりとか、どうしてもお客さんのご要望をお聞きする中で設計が発生します。一つの図面を直すと、平面図だけでなく立面図、断面図も変わってくるので、修正があればあるほど手戻りのロスが生じてしまいます。BIMになるとすべての図面が連携していて、一つの図面を直すと他の図面にも瞬時に反映されるので、時間短縮やミスの軽減に役立つと思っています。

【これから住宅を建てようとする人など、一般の方々にとってBIMのメリットとは】

(村田)

住宅を設計させていただく際に、これまでだと図面を見せながら「窓の位置は~、クローゼットは~、キッチンはこんな感じで」などと口頭で説明するケースが多かったのですが、設計者とお客さんとの空間イメージの共有は簡単ではありません。もちろん、これまでも建築パースなど、ビジュアル的に見せる方法はあったのですが、変更時の手戻りの労力などが大変です。BIMを使うと変更が瞬時に連携されるので、打ち合わせの中で「壁の位置を変えたら~、キッチンの高さを変えたら~」など、3次元の情報を見ながらリアルタイムにやり取りができます。それによって、あとから「そんなイメージじゃなかった」というトラブルを減らすこともできますし、VR技術を使った仮想体験ができたりします。