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放送日時 2019-02-02

2019-2-2OA木造建築研究会

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2019-02-02 15:15

出演者情報

〈前半〉ただいま参上のコーナー
和菓子デザイナー・『京都五感処−京都Loversフォーラム−』
代表 小倉夢桜(おぐらゆめ)さん

〈後半〉建築士会活動報告:木造建築研究会
座長 山本晶三 さん

〈前半〉ただいま参上のコーナー

和菓子デザイナー・『京都五感処−京都Loversフォーラム−』代表 小倉夢桜(おぐらゆめ)さん

時節と五感で楽しむ京菓子」

和菓子の"和"の字は、日本という意味で捉えがちですが、私はそれに留まるものでなく、美しい菓子は場や心を和ませるものと解釈しています。虎屋さん

の16代目の黒川光朝さんは、和菓子は五感の芸術だという言葉を残しておられ、味覚・視覚・嗅覚、切った時や舌触りの触覚、更に和菓子の名前を耳で聞いた聴覚で楽しむのだと。こういう食べ物は和菓子以外にはないでしょう。

 毎年1月の中旬には、皇居宮殿で歌会始の儀が開かれますが、その御題に合わせて名付けた、御題菓子や勅題菓子と呼ばれるその年ごとの菓子がお店で販売されます。今年の"光"という御題を受けた「明けの光」という菓子は、ういろうの生菓子で、海と太陽と朝焼けがあいまった情景をひとつのお菓子で表現したもので、青海波(半円形の三つ重ねた波)の文様を押したブルーの上にオレンジの色を入れてあり、お正月にふさわしい未来が開けるような菓子でした。

 木へんに春と書く椿の葉を使った、日本最古の餅菓子と言われ、源氏物語の中にも登場している「椿餅」もこの季節ならではのもの。白い道明寺を椿の葉で上下に挟み込んだシンプルな菓子です。"つばき"とは、葉を形容した"あつばき"や"つやばき"という言葉に由来しているのですが、椿餅は葉を愛でる菓子だと思っていただくのがよいでしょう。

 そろそろ梅が咲き始める頃ですが、北野天満宮では菅原道真公の祥月命日にあたる2月25日に梅花祭が行われます。北野天満宮近くの老松さんの「北野の梅」という名前の菓子は、その梅にちなんだもので、道真公が愛した紅梅に似せたふっくらとした形の生菓子です。

 まずは和菓子・京菓子に親しみをもっていただきたいです。デパートで購入されても、その中に気に入った菓子があれば、次はその本店に出かけてみるのをお勧めします。丁寧なご対応や店ごとの調度品、季節ごとのしつらえなど、お店の雰囲気を感じて楽しんだ後で召上がる菓子は、また違った味わい、格別なものに感じられるでしょう。

 

〈後半〉建築士会活動報告:木造建築研究会

「伝統と最新の中で我々が残し考えていくもの」2

今年度の活動としては、省エネ住宅に焦点をあてます。2020年

に省エネを義務化したものでないと建築ができないという省エネ改正が平成25年にありました。これについては様々な意見があり実際のところ2020年に義務化されるかは流動的な状態です。ただそれに向けて、気候風土適応住宅という考え方を国がしています。それぞれの風土で培われた生活文化の中で出来た住

宅はその特徴、要素を備えていれば必ずしも省エネ基準を満たしていなくてもよいと、性能適応除外の流れになっています。それには要素の例というものがあり、空間の構成や使われている材料について国が一定のガイドラインを出しています。仮に2020年に義務化された場合の対応策として3つあります。一つは国のガイドラインを運用する。二つ目に各自治体でガイドラインをつくる。三つ目は他の自治体が使ってるものを使ってもよろしい。というものです。

我々がやろうとしているのは二つ目の京都基準を考えてみようというものです。

たとえば、吹き抜けの縁側があり障子がはまっている。障子だけでは寒いので雨戸が外についているなら認めましょうとか内外新壁の土壁の家は断熱ができないけれど伝統の要素を残して京都の景観に寄与するから認めましょうということです。その中で国のガイドラインにあるが京都には必要ない世代造り(雪国を対象とし軒先空間を作る為出桁になっている構造)や板壁などを除けて、京都に必要ものはなんやろうと考えています。そしてそれらを市民の皆さんと共有することが大事なことだと思います。

感想:木造住宅=プレカットとなっている今、仕上げ材でなら私にも技術を残す依頼ができそうです。良いものだと思っているものは怖気づかず少しでも依頼して良さを施主とも共有したいと思います。(渡邉えみ)

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