出演者情報
木造建築研究会
座長 山本晶三 さん
「伝統と最新の中で我々が残し考えていくもの」1
今年度の活動としては、省エネ住宅に焦点をあてます。2020年に省エネを義務化したものでないと建築ができないという省エネ改正が平成25年にありました。これについては様々な意見があり実際のところ2020年に義務化されるかは流動的な状態です。ただそれに向けて、気候風土適応住宅という考え方を国がしています。それぞれの風土で培われた生活文化の中で出来た住宅はその特徴、要素を備えていれば必ずしも省エネ基準を満たしていなくてもよいと、性能適応除外の流れになっています。それには要素の例というものがあり、空間の構成や使われている材料について国が一定のガイドラインを出しています。仮に2020年に義務化された場合の対応策として3つあります。一つは国のガイドラインを運用する。二つ目に各自治体でガイドラインをつくる。三つ目は他の自治体が使ってるものを使ってもよろしい。というものです。
我々がやろうとしているのは二つ目の京都基準を考えてみようというものです。
たとえば、吹き抜けの縁側があり障子がはまっている。障子だけでは寒いので雨戸が外についているなら認めましょうとか内外新壁の土壁の家は断熱ができないけれど伝統の要素を残して京都の景観に寄与するから認めましょうということです。その中で国のガイドラインにあるが京都には必要ない世代造り(雪国を対象とし軒先空間を作る為出桁になっている構造)や板壁などを除けて、京都に必要ものはなんやろうと考えています。そしてそれらを市民の皆さんと共有することが大事なことだと思います。