出演者情報
〈前半〉西陣岡本
岡本織物株式会社 岡本絵麻さん
〈後半〉
ヨシザワ想造建築株式会社
代表取締役 髙野武雄さん
〈後半〉建築士会会員紹介のコーナー
ヨシザワ想造建築株式会社 代表取締役 髙野武雄(タカノタケオ)さん
−強い建物には柔軟な発想が−
本社((株)ヨシザワ建築構造設計)は、阪神淡路大震災の経験を経た現社長の、日本の建物の構造を堅固にしたいとの思いから、構造を主にした設計事務所としてスタートしました。その後、自社の施工部門の拡充などをし、現在は、建物の耐震補強、工場操業をしながらの建替え、検査済書のない建物を調査・構造等の是正の上での確認申請・増改築、などを業務としています。我社(ヨシザワ想造建築株式会社)は、愛知以西の物件を主に担当し、更に工場以外の建物も手がけています。
戦後から昭和30年代ころの創業者は、事業を立ち上げるのに精一杯で建物への配慮は十分でなく、2〜3代目の経営者の多くには、従業員の安全や福利厚生、建物の見栄えなどから建て替えの要望があります。とはいえ、新しい土地を買い建物を建てて移転するとなれば多大な費用がかかります。いきおい"先代からの土地の上に、操業を止めることなく、建物の刷新ができないか"といった相談を受けます。それらのご要望に応じて、例えばカバービルド(既存の建物の外側にフレームを設け、一回り大きな建物で覆う→その後に既存建物を解体撤去)など独自の工法により、お客さまに応えています。
グループ会社は、国内3社とベトナムにBIMを専門とする設計事務所が1社あり、国内では毎年5〜6人の新入社員を採用しています。学生の多くは、我社のブログやHPをみて入社を希望するものが多く、インターンシップにも力を入れています。入社後は3年程度をジョブローテーションで各部署(営業、(意匠・構造・設備)設計、施工)を経験させます。構造設計志望者が意匠設計をしたり、現場希望者が営業をするなどです。その後に本人希望と適性に照らして配属を決めます。何年かの勤務を経ての異動等の要望にも、柔軟に対応することが社員の勤続につながっていると思います。
また、社員同士や社外の方々とのコミュニケーションを大切にしています。昨今はコロナの影響で叶いませんが、社内でのイベント(月イチの飲み会など)で互いの思いを聞いたり、私や本社の社長による社員面接を定期的に実施して、都度つどに悩みや問題点を解決するようにしています。
長らく日本の建設業界はスクラップ&ビルドの風潮が続いてきましたが、今はいかに既存の建物を有効活用するのかが問われています。古い建物であっても、耐震化や現行法への適正化をして、それぞれの目的に応じた建物に生まれ変わらせ永続的に使えるようにする。それには、我々が培ってきた技術が活かせると考えています。