出演者情報
◆やましなを語りつぐ会 説田(せつだ)三保(みつやす)さん
聞き手:松田容子
私の出身は岐阜県です。子どもの時分には、よく母から地元の話などを聞かされたことを覚えています。成人してからは京都の高等学校で教鞭を執ることになり、40年ほど前に山科に引っ越してきたのですが、当時は山科のことを知らないので、子どもたちに地域のことを伝えることができない。それが山科のことをもっと知りたいと思うようになったきっかけです。
定年退職した平成16年に、山科区創立30周年事業のプロジェクトスタッフに応募しました。この活動で、明治・大正・昭和の山科を紹介した写真集『モノクローム・ヤマシナ』が平成18年に完成。その時の仲間で新たに結成されたのが、現在の「やましなを語りつぐ会」です。取材と編集を通して得た多くのつながりを活かし、さらに山科を深く知るためのフィールドワーク活動は、これまでで37回を数えます。
山科の様々な歴史や身近な庶民の暮らしぶりなど、フィールドワークで得られた成果を区民まつりの展示ブースで紹介したり、子どもたちには、地域に伝わる昔話や創作の物語などを手作りの紙芝居で上演してきました。そしてこのたび山科区の助成金を得て、毎回好評だった紙芝居の中から五話を印刷し、山科の小中学校など30ヶ所にプレゼントすることが出来ました。
『地域のことを知ることによって、自分たちの町を愛し、大事にしていって欲しい。』という想い対する手応えが、紙芝居を通じて子どもたちから感じることができます。紙芝居は最終的には二十話まで増やし、プレゼントする小中学校で独自に有効活用していただくために、それらの紙芝居の背景を解説した資料集も必要だと考えています。