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放送日時 2015-04-18

2015-4-18OA「修徳まちなみ文化財繪図」でまちづくりの大きな流れを

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2015-04-18 15:30

出演者情報

ゲスト:修徳自治連合会 今井一雄さん
聞き手:松田容子

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大まかに北は松原通りから南は五条通り、西は西洞院通り東は東洞院通りに囲まれた地域が修徳学区と呼ばれています。私はもちろん、先祖代々よりここで暮らしています。三代前の今井家は洋傘の扱う商売を手広くしていたと聞きます。

修徳学区の中心である修徳小学校は明治2年に開校した日本で初めての小学校で、平成4年3月の学校統廃合により123年間の歴史を閉じました。小学校跡地は下京ふれあい福祉会館に生まれ変わり利用されています。現在でも古い校舎を保存活用している小学校があることを思えば、まちの人たちの思いがこもった立派な建物を残せなかったのは残念にも思います。

平成24年6月に「修徳景観づくり協議会」が「地域景観づくり協議会」として京都市に認定されました。この協議会の中心を担う修徳学区まちづくり委員会の有志が、『修徳まちなみ文化財』を選定するにあたって京都府建築士会の協力を得て、何度もまちあるきを行い会議を重ねて「修徳らしいまちなみに寄与する」建物などを候補として選定し、その中から学区民が『修徳まちなみ文化財』を選びました。これには昔からの町家はもちろん、モダンなお家からマンション、お寺や小さな街角の祠までが含まれ、焼き印を押した15センチ角のケヤキ材プレートが掲げられています。約60軒の『修徳まちなみ文化財』をA2版の地図にまとめたのがこのたび出来上がった『修徳まちなみ文化財繪図』です。選定された建物の写真と所在地を地図に記した一面と、もう一面には修徳学区の町名由来や歴史が詳しく書かれ、修徳学区の概要を知るわかりやすい資料となっています。

「修徳景観づくり協議会」の主たる役割は、この地域で新築または増改築を計画されている施主や設計士と近隣の方々、それに協議会の三者による景観づくり相談会です。相談会では、修徳らしいまちなみに配慮してくださいとお願いしアドバイスをするのですが、そのお手本として、相談会に来られる方には『修徳まちなみ文化財』を頭に思い描いていただきたいと考えています。そのために『修徳まちなみ文化財繪図』を持ってまちを歩き、ケヤキプレートのある建物がまちなみに寄与する姿を知ってもらうのが繪図の役割でもあります。相談会では、ひとつのテーブルを囲んで話し合いをすることが新たな人間関係を作っていけると考え、これも相談会の大きな目的となっています。

私たちは、このような「修徳らしいまちなみ」を考える活動が学区を越えて下京全体へと、さらには「京都らしいまちなみ」を考える大きな動きへと繋がっていけば素晴らしいという大きな夢を持っています。

修徳まちなみ文化財繪図

修徳まちなみ文化財繪図

 

今井さんのお住まいは明治に建てられた木造三階建の立派なお家で、『修徳まちなみ文化財』に選ばれています。生粋の京都人であられる方のまちづくりへの意気込みは、静かですがとても熱いと感じました。(松田容子)