出演者情報
ゲスト:姉小路界隈を考える会 評議員(法政大学大学院教授) 杉崎和久さん
聞き手 内藤郁子
姉小路界隈を考える会 評議員(法政大学大学院教授) 杉崎和久さん
もともとは東京の人間で、縁があって京都に来て住まいし、今は東京へ行ったり来たりの生活をしています。以前に京都市景観まちづくりセンターのスタッフとして、いろんな地域に入ってまちづくりのお手伝いをしていたのですが、その一つが姉小路界隈で、今は個人的なボランティアで、お手伝いを続けています。
先日、今年度の「京都景観賞」で姉小路界隈を考える会が市長賞に決まったという発表がありました。この賞では、今年度初めて「景観づくり活動部門」ということで募集され、41件の応募の中から選ばれました。姉小路の活動の20年の実績を評価して貰えたわけです。姉小路は、行政の仕組みと連動しながら、その時代時代に必要となっている課題に、ある意味真っ先に、取り組むということを、ずっと20年間繰り返してきました。そこのスゴサに僕は惹かれてお手伝いをしているのです。
「地域景観づくり協議会」の認定も約1年半前に認定され、活動を始めています。この制度はまだあまり良く知られていませんが、結構難しい制度です。解りやすく説明すると、その地域で新しく建物を建てたりいじったり、看板をつけたりする場合に、普通はまず行政に行って色んな手続きをスタートさせるのですが、この制度ではその前に、必ずその地域に説明に行きなさい、という仕組みなんです。で、何が難しいかというと、説明に来られた時に地域の人がどう対応するか、地域のまちづくりで大切にしていることを伝えられるか、相手に何を返せるかという事が問われます。姉小路は20年間活動をしてきたので、その気持ちを伝えて、これから同じ地域でお商売をされたり生活されたるするわけですから、是非一緒になってこの町を良くしていきましょうね、というように巻き込んでいくというものです。この20年間やってきたことが、説得力になります。活動の蓄積があるからこそ効いてくる仕組みだと思います。
三条や文博と一緒に活動することが、面的な拡がりになるというのは結果であって、たぶん、姉小路は姉小路で、三条は三条でそれぞれの個性を活かしてやって行って、それが面白くなって、御池通りも含めて、それぞれが彩りになって面的になっていく。やはり通りなので行きと帰りは違う通りを通ってくるという楽しみ方も含めて、両方が盛り上がると面としてユニークな場所になっていくのではないかなと思っています。
(感想)
文化庁の事業で文博を核に、姉小路と三条は一緒に活動しています。最先端を走りづつける姉小路は、常にお手本でもあります。京の三条まちづくり協議会も、続いてもうすぐ地域景観づくり協議会の活動を開始します。(内藤郁子)