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放送日時 2018-07-05

2018-7-5OA 岩佐英夫さん(弁護士、京都憲法会代表幹事)

番組名:京都けんぽうラジオ

投稿日時 2018-07-05 07:10

6月12日に米朝首脳会談が行われましたが、このことにより、「安倍改憲」の最大の口実にされてきた“北朝鮮脅威論”の根拠が極めて薄くなったという点がまずあげられます。
次に、昨年夏から秋にかけて、核戦争寸前という緊張状態でした。そのことを思えば、今回の米朝首脳会談は、崖っぷちから抜け出して、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換する展望が出てきたという点で、まさに世界史的・歴史的な意義のある出来事でした。
米朝首脳会談の「共同合意文」で4項目が掲げられています。①「平和と繁栄の・・・新しい米朝関係を構築すること」を約束しています。②朝鮮半島における持続的で安定した平和体制構築の努力を共にする。③朝鮮半島の非核化のための努力の約束。④発見済みの遺骨のアメリカへの即時返還、戦時捕虜と戦闘中行方不明者の遺骸発掘を約束をしています。
一部マスコミでは、“具体的でない”という批判をしていますが、戦後73年間も続いてきた朝鮮半島の緊張状態を振り返れば、たった1回の会談で全てを解決というのは、土台、無理な要求。むしろ、平和的解決に向かって歴史的なスタート台に立ったこと自体の重要な意義を、先ず受け止めるべきではないでしょうか。
私たちは、韓国民衆の運動の素晴らしい広がりを学びたいと思います。朴槿恵前大統領が日本の安倍首相と同様に政治の私物化をしたことに、いわゆる“ロウソク革命”を大規模に長期間繰り広げる中で、遂に前大統領を退陣に追い込んで、ムンジェイン大統領を誕生させた力が、今回の南北会談の成功、さらに米朝会談という歴史的成果の根底にあると思います。
最後に拉致問題ですが、これは、国交回復・経済援助・民衆交流等と一体となった包括的解決の中でこそ実現できると思います。

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