大江真道さんは、日本山妙法寺 藤井日達山主が、今から30年前に書かれた靖国神社参拝批判の文章を紹介されました。
宗教家のメッセージ 日本山妙法寺 藤井日達山主(天鼓 2014年1月号より) 靖国神社は軍国主義の源
南無妙法蓮華経 その初め日本国にも、民族宗教の神道というものがあった、その神道が、明治維新という革命に権力を得て、平和の宗教である仏教を排斥し、日本を軍国主義にした。 明治以来の日本の軍国主義の源が、日本の宗教たる古神道の導いたところだ。その宗教が、今日もなお残っている。 この古神道も、中心は平和の女神―天照大神であるけれども、この神道は多神教で、いくらでも神様ができていく。この古神道の中に靖国神社というものができた。 これは今、日本国の宗教のごとくになっておる。内閣総理大臣はじめ閣僚全体が、こぞってこれに参拝する。国民もこれを支持していくという。 靖国神社の神様となった者は、日本国の軍人となり、戦争を起こして外国に行き、外国で戦争をして、外国民族を殺し、自分も殺された。これが靖国神社の神体だ。 今、日本国は、これを天照大神の伊勢の大廟よりも、明治天皇の明治神宮よりも、何よりも一番大切な参拝所として、世界に問題を起こした。 これが日本の神様であるならば、これを外国に持って行った時、外国の諸民族は、昨日までこの神様によって民族が亡ぼされ、国家が侵略された苦い経験がある。 その神様は、日本では靖国神社であろうけれども、向こうでは、国を滅ぼした恨み重なる憎しみの的の魂だ。これを持って行けば、どこの国も日本とは和合しない。 韓国の村々ごとに護国神社を作って礼拝させた。中国にもまた、この護国神社などを作って、戦死者をまつらせた。これが終戦、すなわち第二次大戦終了となるや、現地の民衆が、一番先にこの神社を破壊してしまった。私はこれを見た。 今、日本国が、この古神道を持って世界平和を作ろうなどということには、誰も共鳴する者がない。やって見なさい。必ず失敗します。 仏様は、絶対平和を作る教えを説いて、二千五百年の間、広いアジアの各地の諸国に、戦争行動を止めさせた。アジアに国際戦争が少なかった原因は、仏様が弘まったためである。今は仏様の本尊、すなわち釈迦牟尼世尊の教えが、世界平和を作るべきときになった。そのために日蓮大聖人は、遠く二千五百年の昔、御釈迦様からこの教えを授かった。 現実の「衆生劫尽きて、大火に焼かるると見る時」、この教えを弘めて、「我が此の土は安穏なり」ということを実現せしめねばならない。そのために、この宗教は残されたんだ。そうして、この宗教の本尊が示された。それが三大秘法の本尊論である。 (「天鼓」 1984年9月号より転載)
靖国参拝が批判されるのはなぜか、藤井日達山主がはっきり書いています。 これは今から30年前に書かれている文章です。宗教のなかで、靖国神社が異質であることをはっきりさせています。