私たちのある会員が、「私の家は、お姉さんのお父さんと私のお父さんと2人戦死しています」と言われました。どういうことかわかりますか?「お母さんが、結婚してお姉さんが生まれてから、お姉さんのお父さんが戦死しました。お母さんは、その弟と再婚して私が生まれた。その私のお父さんも赤紙で召集され、戦死したんです」 お母さんは2人の夫を戦争で亡くしたわけです。
又、お父さんがパラオで戦死、お母さんが神戸空襲で亡くなり、幼くして両親を亡くした方。お父さんとその兄弟3人全員が召集され、3人とも戦死した方もいます。 お父さんが中国で戦死。叔父さんは戦地から帰還した後、自殺された方もあります。 NHKの朝ドラ「ごちそうさん」に肉屋のゲンタが戦地で「人を殺した」とご飯も食べられず苦しんでいる場面がありましたね。同じ精神状態だったと思います。 話は変わりますが、イラク派遣の自衛隊員の自殺者が、昨年3月現在26人にのぼっています。異常に高い数字です。「戦闘行動ではない、後方支援」の活動でも大変なプレッシャーがあったのではないでしょうか。
私の場合、父は昭和18年、婚姻届を出した10日後に召集されました。私は昭和19年2月6日に生まれましたが、その日に父はマーシャル諸島で、24歳で戦死しています。母は、父の戦死公報が届いてから体調を崩し、その翌年26歳でこの世を去りました。私が4歳の時です。
あの日本の侵略戦争によって、中国やアジアなどで2000万人の人々が犠牲となりました。悔しいのは、私たちの肉親は、その侵略戦争に駆り出されて命を落としたのだということです。 日本も空襲や原爆、沖縄戦などで一般の国民80万人、戦死者は230万人、合計310万人の命が奪われました。このうち、戦死者の6割140万人が餓死・栄養失調による病死という実に悲惨なものでした。私はA級戦犯など戦争の責任者たちを本当に許せないと思います。 戦後、日本は戦争で、ただの一人も他国の国民を殺さず、ただの一人も殺されてはいません。それは、「2度と戦争はごめんだ」という国民の願いが、「憲法9条」に実を結び、戦争行為を禁止してきたからです。 いま安倍首相は、憲法9条の「解釈改憲」で「集団的自衛権の行使ができる」と日本を「海外で戦争ができる国」に変えようとしています。立憲主義を否定する、まるで「クーデター」です。
もし、自衛隊が海外で戦争に参加すれば、自衛隊員に戦死者が出ます。また相手を殺すことになります。〝戦争とは、殺し合い〟なんです。 「再び 戦没者も、戦争犠牲者も作ってはならない」「憲法9条は、戦没者・戦争犠牲者の命の代償であり、遺言」です。何としても「戦争する国づくり」をやめさせなければならない、「若者を戦場に送ってはならない」とつよく思います。