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放送日時 2015-10-16

2015-10-16OA 「 秋の夜長の路地空間 」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2015-10-16 13:15

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写真は、上京区・西陣にある「紋屋町 三上家路地のライトアップ」の風景。
今月11日から17日までの一週間、夜になるとこのように路地に行灯を並べた幻想 的な演出がなされている。
毎年、この時期になると行われている、「三上家路 地のライトアップ」。
今年で13年目を迎え地域における秋の風物詩として年を重ねるごとに人気のイベントとして開催されている。
路地に並べられた行灯には京都府綾部の黒谷和紙が使用され土台部分には京都府特産の北山丸太が使用され
ている。この三上家路地の空間は、京都市の路地・細街路パンフレットにおける表紙を飾るほど、京都にお
ける代表的な路地として評価されている。
それぞれの軒の距離感や通路とのバランスが洗練された造形美を生み出し、美しい空間のプロポーションは、
パリのシャンゼリゼ大通りと対比されるほど、有名なシークエンスを構成している。
かつて紋織りの職人たちが軒を連ねて暮らしていたこの路地空間は写真家や陶芸家といったアーティストた
ちが移り住む芸術活動の場としても有名な場所となり、ライトアップ期間中に「生駒啓子陶芸教室作品展」
も開催 されている。
かくいう私もこの路地の中に「紋屋町研究所」を構えている。
近年では高台寺や嵐山をはじめとして市内各所の観光地において、さまざまなライトアップが企画・開催
されているが、このような地域住民による小規模 な夜間演出も趣があり、その新しい魅力を再発見するこ
ととなる。日頃、見慣 れた風景とは、違う表情をみせる夜の路地空間。慣れ親しんだ 町の風景であるから
こそ、むしろ新鮮に感じた秋の夜のひとときであった。