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放送日時 2015-11-27

2015-11-27OA「東寺 小子房に広がる堂本印象の世界」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2015-11-27 13:15

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「東寺 小子房 に広がる堂本印象の世界」

南区九条町にある世界遺産「東寺(教王護国寺)」。

平安京遷都の直後の延暦15 年(796年)創建と伝えられ、平安京の遺構を現代に伝える東寺 真言宗の

総本 山でもある。有名な「五重塔」は、東寺のみならず京都のシンボルでもあり、そ の高さは54.8m。

日本一の高さを誇る木造建築物であ り、現在の五重塔は寛 永21年(1644年)、徳川家光の寄進で再建

された5代目にあたる。 先日、そんな「東寺」の秋の特別公開へと訪れる機会にめぐまれた

境内にある 「小子房」では、「堂本印象画伯障壁画」が特別公開され西陣織の図 案描き の仕事から

日本画を志し近代美術界で名を馳せた京都画壇のひとり「堂本印 象」が43才の時に描いた合計6室の

襖絵・障壁画が特別展示され ていた。この「小子房」はもとは皇室の方々や高僧をお迎えする特別な

迎賓館であり、南 北朝時代には光厳上皇により御所としても使用された由緒ある建物でも ある。

現在の「小子房」は、1934年(昭和9年)に再建された総檜造りの建物であり昭 和を代表する名建築の

ひとつとされ、庭園「澄心苑」は平安 神宮の神苑などを 手掛けた京都を代表する庭師、七代目小川

治兵衛の作庭によるものである。
内部は、鷲の間、牡丹の間、勅使の間など6部屋からなり、牡丹の間、瓜の間な どにはそれぞれ水墨の

絵が描かれているのに対し、勅使の間には極彩色 豊かな 「渓流に鶴」が描かれている。

水墨と金碧により枯淡と華麗が見事に調和融合 された堂本印象の世界にふれ刺激を受けた秋の一日

であった。