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放送日時 2015-08-21

2015-8-21OA「あの日みた 送り火の記憶」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2015-08-21 13:16

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「あの日みた 送り火の記憶」

=写真=は上京区西陣にある地上11階建てのマンション「メガロコープ西陣」の 屋上から撮影した風景。
もともとは昭染工業株式会社の染糸工場で あった広大 な敷地を開発し、昭和47年(1972年)に建設され
た、築43年、総戸数405戸を有 する大型の鉄骨鉄筋コンクリート造の集合住宅で ある。
私自身、昭和47年(1972年)の2才の時から12才まで、10年間を過ごした思い出 のあるマンションであ
り、毎年、五山の送り火をこの屋上か ら眺めていたのを 覚えている。
地上31mから眺めたその風景は、今でも鮮明に記憶している。当時は「右大文字」「妙法」「舟形」
「左大文字」の 四山がこの屋上よりはっきりと見え、浴衣を着ながら、家族や多くの友人と楽しいお盆
を過ごしたものである。私が、最後にこの屋上に昇ったのは、今から34年前の11才の夏のこと。
現在は、 安全上の理由から屋上の開放はされていないそうであるが、当時は さながら夏 祭りのような
雰囲気で、多くの住民によって賑わいをみせていた。
あれから34年の月日が流れ、今でも「右大文字」「妙法」「舟形」「左大文字」 の四山が見えているのか、
不安と期待を胸に屋上の扉を開けてみた。 眼下に広 がる、送り火への風景は昔と変わらずそのままの風景
であった。正面に見える船 岡山や、北山の山並みも、そのままで当時の姿を美しくとどめ ており、少し安
堵すると同時に嬉しい気持ちになった。ただ、京都タワー方向、南側を眺めるそ の風景は、ビルが立ち並
び様変わりしてしまっている。
時代の流れを肌で感じると共に、美しい街並みのありかたを考えることのでき た貴重な夏の体験であった。