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放送日時 2015-08-27

2015-8-28OA「サウジアラビアに学ぶ『涼』の工夫」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2015-08-28 12:15

 先日、サウジアラビア西部にある、中東有数の世界都市、「ジッ ダ(Jeddah)」を訪れた。
イスラム教の聖地「メッカ」の近くにあり、毎年、大巡礼の時期には、約200万人もの人々が訪れ続け、
巡 礼者の中継都市としてにぎわう。
サウジアラビアの首都リヤドに次ぐ、第2の都市として、現在約300万人もの 人々が暮らし、
経済都市としても、日々発展を続けている。

 紅海に面したジッダの歴史は古く、約2500年前から漁村があり、以後、主要港湾として栄えてきた。
砂漠地帯であるため真夏の日中最高 気温は50度近くにも達し、さらに海に面していることもあり、
年中を通じて非常に蒸し暑い気候が特徴的である。そういった意味においては 京都盆地特有の、
夏の蒸し暑さと似通っている。現在のように空調設備もなかった時代、京町家と同じく、いかに涼しく
住まうかが人々にとっ ては快適な住まいの最大の関心事であり、また住宅にとっての必要条件であった。

 住宅の壁は断熱性能の高い軽石の一種「さんご石」でつくられており、壁面は白色に色づけられている。
また、中庭と通路を巧みに組み合わ せ、少量の風でも、涼を感じることのできる工夫がうまくなされている
住宅内には京町家における坪庭と同様に、緑や影をうまくとり こみながら、自然を利用したクールスポット
ともいうべき場所が計画され、高温多湿な気候の条件下にあっても、豊かな暮らしが営めるよう先人の知恵が
取り入れられている。

 遠く離れた、京都とジッダ。時を重ねて考え出された人々の暮らしの知恵が、それぞれの街に今も大切に
受け継がれていると感じた素敵な旅 のひとときであった。

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