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パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
野村正樹
音声
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先日、京都市は左京区岡崎にある文化施設「京都会館」の改修計画を発表した。
1960年の開館から50年を経て老朽化が進んでいる「京都会館」は以前よりその再整備については
検討され、大学院に在籍していた数年前にも研究室では調査研究が進められていた。
戦後建築界の巨匠前川國男氏の設計による同会館は、日本建築学会作品賞も受賞した名建築であり、
京都の持つ伝統的なデザインを、圧倒的なスケール感と粗いコンクリートでダイナミックに表現した
モダニズム建築の代表作でもある。
市の計画によると、京都の電子部品メーカー「ローム」に、命名権を50年間・52億5000万円で売却し
、メーンとなる第1ホールを、本格的な舞台を持つオペラ劇場に改修する計画である。
その他にも耐震補強やバリアフリー工事・音響設備の改修等を施し、早ければ15年度のリニューアル
オープンを目指しているという。
本格的なオペラハウスの舞台天井高は20メートル以上必要であり、さまざまな装置や資材をつるす
スペースを考えると、その建物の高さは30メートル以上は必要であると考えられる。
現在、同会館は15メートルの高さ制限がある高度地区内に建っている。過去の高さ論争において、
京都ホテルに対しては「総合設計制度」、京都駅ビルに対しては「特定街区」で規制を緩和してきた
京都市。新景観政策導入後の今の時代、どのような手法をとるのかも興味深い部分ではある。
現在、委員をつとめる「京都市都市計画審議会」や「京都市100人委員会」においても岡崎地域の
今後については議論が交わされている。1895(明治28)年の平安遷都1100年記念祭の開催以来、京都の
文化ゾーンとして市民に愛されてきた岡崎の地。今回の改修計画が、より人々に親しまれる文化の殿堂
としての空間創生となることを願っている。
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