出演者情報
パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
野村正樹
パートナー) 藤田瞳
写真は、京都市上京区寺町通丸太町上ルにある「新島旧邸」。
NHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公、新島八重と、その夫で同志社創立者・新島襄が昭和7(1932)年
まで暮らした私邸である。この「新島旧邸」は明治11(1878)年に建造され、今年で築135年を迎える。
昭和60(1985)年には同志社創立者の旧居としての価値が認められ、調度・家具類を含めて京都市
有形文化財に指定されている。
建物の周囲を取り囲むように、東・南・西の3面にバルコニーをめぐらし、大きな窓を各部屋に計画した
外観は、アメリカ合衆国でイギリス植民地時代に流行した「コロニアル様式」をうまく和風住宅にとりいれた
アーリーアメリカンスタイルとなっている。21歳からの9年間をアメリカのボストンで過ごした新島襄にとっ
ては、若い頃、慣れ親しんだ住宅の風景であったのかも知れない。
当時としては珍しく、住居内には暖炉と煙突を利用したセントラルヒーティングシステムが構築されており、
板張りの腰掛式トイレや土間のない板張りのダイニングキッチンも整備されている。室内はフローリングで
仕上げられ、椅子やテーブルが並ぶ洋風の趣の居間・応接間が現在もそのまま保存・展示されている。
明治初期の住宅としては、最先端の生活様式を導入しながら建築された「新島旧邸」。東南角にある新島
襄が愛した日当たりのいい書斎も、机と共に当時の姿をそのまま今に伝えている。
和洋折衷というよりも、むしろ和に洋をうまくとりいれながら、生活様式に対する工夫が随所にみられる「新
島旧邸」。時代の先を読み、自由を愛した新島襄と八重に、平成の現在はどのように映っているだろうか。
音声
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