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放送日時 2017-09-19

2017-9-22OA 「祇園町にある有楽稲荷大明神」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2017-09-22 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
            野村正樹

パートナー)  橋本沙抽里

「祇園町にある有楽稲荷大明神」

織田信長の弟でもあり、東京都千代田区有楽町の名前の由来ともなっている、織田有楽斎(うらくさい)
(本名:織田長益)。昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」でも物語終盤のキーパーソンとして、井上順が扮
する織田有楽斎が、豊臣と徳川の懸け橋役を演じていたことは記憶に新しい。
東京の有楽町に対して、祇園町南側にも織田有楽斎ゆかりの「有楽(うらく)町」が存在する。
八坂神社前、現在の漢字ミュージアム(元弥栄中学校)南側、東松竹小路界隈一帯が「有楽(うらく)町」
と呼ばれ、正式な住所表記はないものの、祇園町らしい石畳の美しい町並みが形成されている。
先日、そんな祇園・有楽町の一角にある「有楽稲荷大明神」の改修工事に携わる機会に恵まれた。
かつてこのあたり一帯には織田有楽斎が再興したという建仁寺の塔頭・正伝院とその墓所もあったという。
明治6年、正伝院は廃寺となり現在の永源院に統合されることとなるが、墓はこの地に1962年(昭和37年)
までそのまま残されていた。間口2間ほどの、この小さな有楽稲荷大明神の創建は、大正初期のことである
と考えられている。
織田有楽斎といえば、茶の湯を利休に学んだ、利休十哲の一人であり、後の有楽流の祖となる茶人である。
現在は愛知県犬山市に移築されている、日本三名席のひとつ、国宝茶室「如庵」も、もとはこの地で建造
された。別名、「暦張りの席」ともいわれる、二畳半台目向切の瀟洒な茶室は、利休の草庵茶室とは一線
を画す「武家の節度」を感じさせる名席中の名席である。
今回の神社の改修工事を通じて、壮大な歴史ロマンに触れながら、貴重な体験をすることができた。

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