ここから本文です。

放送日時 2018-01-26

2018-1-26OA 「組子細工に感じる、和の美意識」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2018-01-26 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
             野村正樹

パートナー)  藤田瞳

先日、北海道ニセコにある、一件のリゾートホテルを設計する機会に恵まれた。

京都より遠く離れた北海道の地にあっても、「和」を感じる細やかなデザインを設計してほしいという

のが、クライアントからの要望でもあった。

ホテル館内には、さまざまな意匠上の工夫がなされているが、なかでも「和」を上品に感じるデザイン

のひとつとして、メインロビー部分に組子細工を用いて、日本の伝統美を表現を試みた。

=写真=組子細工とは、釘を使わずに、細かな木片を規則正しく組み合わせて、様々な模様をあら

わす、日本古来の伝統的な芸術作品であり、その歴史は飛鳥時代の法隆寺金堂にまでさかのぼる。

現代において、そのデザインは200種類以上あるといわれており、伝統的なものから細かく精巧な幾何

学模様まで幅広く考案されている。細やかな細工から生み出される、繊細なその光と影は、日本の建

築物独特の技を感じることができる貴重なものとなっている。

今回、選定したデザインは「麻の葉」と呼ばれる意匠。植物の麻をモチーフに、正六角形と三角形を

基調としたそのシンプルなデザインは、ある種の華やかさも兼ね備えた美しい模様を形成している。

今回、このように大判の組子細工をスクリーンのように設置してみると、その美しさを再認識することと

なる。木の温もりと伝統的な幾何学模様が織りなすその美しさは、私たちが持つ「和」の美意識に語り

かけてくるようでもある。組子細工の新しい魅力を感じることのできた印象的なプロジェクトとなっ

音声

RSS取得

MP3ファイルの再生/ダウンロード