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放送日時 2016-08-22

2016-8-26OA 「耐震改修促進法と”新”耐震基準」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2016-08-26 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
       野村正樹

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「耐震改修促進法と”新”耐震基準」

 施行された「改正耐震改修促進法」。不特定多数の人が利用する大規模建築物や避難上
特に配慮を要する建築物について、耐震診断の義務付けならびに結果の公表が課せらることとなった。
その影響もあって、最近、耐震改修・耐震診断に関する相談や依頼が多くなっている。
具体的には延面積5000m2以上のホテル旅館や、病院・老人ホーム・学校等、公共的な施設がこれに
該当するのであるが、特に相談が多いのがホテル・旅館と学校である。
1981年(昭和56年)に行われた建築基準法の大改正。1978年(昭和53年)に発生したマグニチュード
7.3の宮城県沖地震では,ピロティ形式や偏心のある建築物に被害が集中することとなった。
これを受けて、これまで、震度5強で損傷しないという「旧」耐震基準から震度7規模の地震に対しても
倒壊しないという「新」耐震基準へと構造規定法令が改正されたのである。
従って、1981(昭和56)年以前に建築された築35年以上の建物は「旧」基準により設計されていること
となり、現在の基準に適合していないことを公表しなければならなくなったのである。
事実上、事業者はこのような結果を公表し続ける訳にはいかないので、耐震改修工事を行い、「新」
基準に適合するように耐震改修工事を行うこととなる。現在の耐震改修促進法は1995年(平成7年)に
兵庫県南部地震を受け制定され、今回の改正は2011年(平成23年)東日本大震災を受けてのこととなる。
写真は「きょうと空間創生術222」でも紹介した、京都駅西側に位置する「リーガロイヤルホテル京都」。
無事に耐震改修工事を終え、この秋9月8日、リニューアルオープンする予定となっている。