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放送日時 2016-12-21

2016-12-30OA 「ライカ京都店に見る町家再生法」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2016-12-30 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
            野村正樹

パートナー) 橋本沙柚里

音声

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先日、京都市東山区・祇園甲部歌舞練場前にある「ライカ京都店」に訪れる機会に恵まれた。
国内7店舗目のライカストアとして、今年3月に開店したばかりの「ライカ京都店」。
東京・銀座に続く2店舗目の路面店であり、国内におけるライカのフラッグシップ店としての位置
づけがなされている。

 ライカといえば、160年以上の歴史を誇るドイツの老舗高級カメラブランド。
築100年のお茶屋を再生した店内では、日本伝統の雰囲気を醸し出す店内に、ライカの現行製品が
フルラインアップで取りそろえられ、ゆったりとした雰囲気が構築されている。
坪庭や石灯籠(とうろう)もそのまま大切に使用されている=写真。
2階部分には、元の町家の風情をうまく生かしながらも、大胆に小屋梁を見せた開放的なフォト
ギャラリーが展開され、明るく洗練された大空間が特徴的となっている。

 またこの「ライカ京都店」においては京都の老舗企業とのコラボレーションも積極的に展開され
「和とライカ」ともいうべき、独自の取り組みがなさ れていることも興味深い。例えば、店内の
壁面やカメラバックには、西陣織の老舗「細尾」製のファブリックが使用されている。
他にもポーチには、京友禅の老舗「千總」の京友禅柄シルク生地が採用され京都の老舗「宮脇賣扇庵」
の扇子に、ライカのクラシックなロゴをあしらったオリジナル扇子も店内で販売されている。

 数ある町家再生事例の中にあって、数少ない海外ブランドのフラッグシップ店。
新しい京町家再生の可能性を感じると共に異文化との親和性に改めて気づいたひとときであった。