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放送日時 2017-09-01

2017-9-1OA 「ライカ京都店に見る 町家再生法」

番組名:KYOTO space fountain

投稿日時 2017-09-01 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
             野村正樹

パートナー)  藤田瞳

音声

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先日、京都市東山区・祇園甲部歌舞練場前にある「ライカ京都店」に訪れる機会に恵まれた。

国内7店舗目のライカストアとして、今年3月に開店したばかりの「ライカ京都店」。

東京・銀座に続く2店舗目の路面店であり、国内におけるライカのフラッグシップ店としての位置

づけがなされている。

ライカといえば、160年以上の歴史を誇るドイツの老舗高級カメラブランド。

築100年のお茶屋を再生した店内では、日本伝統の雰囲気を醸し出す店内にライカの現行製品が

フルラインアップで取りそろえられ、ゆったりとした雰囲気が構築されている。坪庭や石灯籠(もその

まま大切に使用されている=写真2階部分には、元の町家の風情をうまく生かしながらも、大胆に

小屋梁を見せた開放的なフォトギャラリーが展開され、明るく洗練された大空間が特徴的となっている。

またこの「ライカ京都店」においては、京都の老舗企業とのコラボレーションも積極的に展開され

和とライカ」ともいうべき、独自の取り組みがなさ れていることも興味深い。例えば、店内の壁面やカメラ

バックには、西陣織の老舗「細尾」製のファブリックが使用されている。他にも、ポーチには、京友禅の

老舗「千總」の京友禅柄シルク生地が採用され、京都の老舗「宮脇賣扇庵」の扇子にライカのクラシック

なロゴをあしらったオリジナル扇子も店内で販売されている。

数ある町家再生事例の中にあって、数少ない海外ブランドのフラッグシップ店。新しい京町家再生の

可能性を感じると共に、異文化との親和性に改めて気づいた、ひとときであった。