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放送日時 2018-01-24

2018-2-2OA 「 糺の森の式年遷宮 」

番組名:KYOTO space fountain ~きょうと空間創生術~

投稿日時 2018-02-02 13:15

出演者情報

パーソナリティ) ローバー都市建築事務所
            野村正樹

パートナー)  橋本沙抽里

音声

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京都市左京区にある「糺(ただす)の森」は、下鴨神社(賀茂御祖神社)=写真=のご神域に

広がる森である。広さは約12万4000平方メートル(約3万6000坪)東京ドームの約3倍にも

及び、平成6(1994)年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されている。その歴史は古く

太古の昔にさかのぼり、源氏物語や枕草子といった多くの文学作品にも登場し、平安京遷都

以前の原始の森が今なお残っている。

「糺の森」にお祀(まつ)りされる下鴨神社には、国宝の東西本殿の他、50棟を超える建造物

が重要文化財に指定されており、平安時代の姿を今に伝えている。昨年より、下鴨神社では21

年に一度の式年遷宮が行われており、一昨日の3月20日には神様がご本殿から仮殿へお遷

(うつ)りになる祭儀である「仮殿遷宮」が斎行されたところである。式年遷宮とは、定められた

年限に社殿を新しくし、神様にお遷りいただく神社で最も重要な祭儀であり、今年は伊勢神宮

(20年ごと)や出雲大社(60年ごと)においても式年遷宮が行われている。

下鴨神社における式年遷宮の制度は、平安時代の天喜4(1056)年よりはじまり、途中、中世

の戦乱などで遅滞することはあったものの、約1000年にわたり斎行され、今回で34回目を迎える

こととなる。江戸時代まではご本殿以下全ての社殿を21年ごとに造り替えていたのであるが、現在

は東西本殿をはじめ多くの社殿が、国宝・重要文化財に指定されているため、大修理を行うかた

ちとなっている。

21年ごとに人から人へ受け継がれていく伝統と技術。自然の摂理として生物はみな親から子へ

世代を重ね受け継がれ、私たちも常に新しい命を祖先、先人から引き継いでいる。太古の時代よ

りある糺の森にあって、「式年遷宮」もまたその命の流れのなかにあるのではないだろうか