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放送日時 2014-03-01

2014-3-1OA ただ今三条~450余年の老舗・千總 

番組名:きょうと・人・まち・であいもん

投稿日時 2014-03-01 14:30

出演者情報

【ただ今三条】
ゲスト:株式会社 千總 加藤結理子さん
担当:内藤郁子

【会員紹介】
竹内英二さん
担当:上原智子

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私は製作本部に所属していますが、仕事は学芸員として、千總が所蔵しているコレクション、染織品から絵画作品など細かいものも含めて約2万点ありますが、そのなかから、2階のギャラリーで行っている展覧会の企画運営を担当しています。このコレクションは、ものづくりに活かすために収集したもので、江戸時代の小袖や屏風から、明治時代に千總が製作したものも保管しています。今でもこれらは、ものづくりのインスピレーションの源になっています。
 千總の創業は1555年で、三条烏丸西のこの辺りで法衣装束商を始めました。友禅染をいつごろから始めたかはハッキリとは解りませんが、江戸時代中ごろから着物を作り始めたようです。それまでの着物の装飾は織りや絞り、刺繍というのが主でしたが、その頃「糊防染」という技術ができました。これは、糊で模様の輪郭を描いて内側に色を入れていくという染織技法で、そのおかげで絵を描くように多彩な模様を描くことができるようになりました。
 ところで、「友禅染」というのは、宮崎友禅という人の名前に由来するというのは、ご存知でしょうか?彼は、扇絵師として、知恩院の石段のところで商いをしていたそうで、彼の描く扇絵がとてもおしゃれで、その扇を持つのが流行となったそうです。そういう彼のデザイン性を着物に活かそうということと糊防染という技法が融合して「友禅染」と言われるようになったというのが定説です。
 明治時代には「型友禅」という技法が開発されました。これはステンシルのような型紙を使うことによって、同じものをたくさん作ることができ、必然的に安く行きわたるようになりました。さらに千總では、日本画家にデザインを依頼し、斬新的なデザインを取り込んでいったということを先駆的に行いました。
 また国外向けの貿易部門というのをつくり、この北側の現在「文椿」になっているビルを建てて「西村貿易」という名で商売をしていました。たとえはビロードに友禅染を施して、タペストリーや衝立、インテリアの装飾品、ドレスやお土産の小物などを海外向けに作ったり、博覧会に出品をして賞を頂いたりしています。
 現在、2階の「SHOYA TAS」というお店では身近に友禅染を感じていただけるようなストールやバックなど小物を扱っています。また1階の「總屋」では、もっと気軽に着物を着て頂けるように、主に色無地の着物をベースしたコーディネートの提案をさせていただいております。どうぞ、みなさん、お気軽にお立ち寄りください。

・・・・・感想
とてもお若くて聡明な女性で、2万点ものお宝に囲まれてお仕事をなさるのは、さぞや大変で、かつ幸せなことだろうと推測いたしました。(内藤郁子)・・・・・